サステナブル生地

サステナブルなプラスチックで注目の「PLA樹脂」とは?カーボンニュートラルな生分解性エコ素材を解説

2022/05/09

“脱プラスチック”が叫ばれる昨今、「バイオマスプラスチック」や「生分解性プラスチック」といった、環境に配慮した素材が注目を集めるようになりました。

なかでも「PLA樹脂」は、トウモロコシやジャガイモのでんぷんを主原料とするプラスチック。数多くあるプラスチックのうち、燃焼時のCO2の排出量が最低レベルと言われており、「カーボンニュートラル」な性質が特徴です。それだけではなく、土にいる微生物により生分解が可能であるため、生産から廃棄まで環境に負荷を与えないエコな素材です。

今回は、そんな植物由来のプラスチックである「PLA樹脂」の特徴や主な用途、素材として製品に使用するうえでのメリット、デメリットをお伝えしていきます。

1.植物から生まれ、自然に還る。PLA樹脂の特徴

PLA樹脂は石油由来のプラスチックとは異なり、植物由来の新しいプラスチックです。まずはその特徴について見ていきましょう。

植物由来のPLA樹脂は、バイオプラスチックに分類されるエコ素材

「PLA」とは、Poly-Lactic Acid(ポリ乳酸)の頭文字をとった言葉。植物から抽出したでんぷんを発酵させて乳酸を作り、その乳酸を重合することによって樹脂にします。石油由来プラスチックに替わるエコな材料として注目を集めています。


PLA樹脂は、バイオマス(生物資源)を原料にする「バイオマスプラスチック」であり、かつ微生物によって分解される「生分解性プラスチック」。両方の特性を兼ねている点でも優れた素材で、循環型社会の実現に重要な役割を果たす新しいプラスチックといえるでしょう。

石油由来プラスチックに替わり、身近な商品への利用が増加中

耐水性や耐油性に優れ、強度もあることから、食品用トレイやレジ袋、包装資材、農業用ハウスフィルムなど様々な用途に使われています。

また、近年は石油由来プラスチックと同程度まで強化させる技術が開発され、家電製品や自動車用パーツ、携帯電話やパソコンの外装、3Dプリンターの材料などにも使用されています。

PLA樹脂から作られた繊維は、シルク様の柔らかな風合いとドライな肌触りが特徴。衣類やタオルのほか、カーテン、カーペットといったインテリア用品、農園芸用の土嚢(どのう)袋や植生ネットなどに展開されています。

2.PLA樹脂の生産工程とサステナブルなポイント

PLA(ポリ乳酸)の循環サイクル 作成:アイグッズ

植物を主原料とするPLA樹脂は、製品としての役目を終えた後に生分解されて水とCO2に戻る、まさに循環型のプラスチックです。

ここでは、PLA樹脂のサステナブルなポイントについて詳しく解説します。

「バイオマス」を原料としたカーボンニュートラルな素材

PLA樹脂の原料は、「バイオマス」と呼ばれる有機性の資源。石油由来の素材とは違い、主原料となる植物が育つ過程で空気中のCO2を取り込んでおり、燃焼時はCO2の排出量が最低レベル。脱炭素化に貢献できる素材といえます。


日本の繊維メーカーである『ユニチカ』によると、PS(ポリスチレン)やPP(ポリプロピレン)、PE(ポリエチレン)などの石油由来のプラスチックに比べて、PLA樹脂の燃焼時のCO2排出量は、およそ1/2から1/3程度におさえられます。燃焼時にダイオキシンや塩化水素といった有毒ガスを排出しないという面からもエコ素材として注目されています。

[出典]ユニチカ テラマック/https://www.unitika.co.jp/terramac/how/

廃棄後は土に埋めることで、微生物による生分解性が可能

PLA樹脂のもう一つの大きな特徴は、生分解できるという点です。石油由来のプラスチックはゴミになっても自然分解することはなく、半永久的に残り続けてしまいます。一方で、PLA樹脂は、堆肥などの微生物が存在する土に埋めることで最終的にCO2と水のレベルまで分解されるのです。

3.PLA樹脂のメリット・デメリットとは?

環境にやさしいプラスチック、PLA樹脂。製品の素材として使用するうえでのメリット・デメリットを見ていきましょう。

脱炭素に貢献するサステナブルなプラスチックでものづくりが可能に

まず第一に、植物由来であることから生産から廃棄までの工程でカーボンニュートラルなものづくりが可能となる点が大きなメリットとして挙げられます。

また、限りある資源である石油とは異なり、原料となる植物は収穫を続けることで生産が途切れることはありません。サステナブル社会の実現に貢献する材料として期待されています。

他にも透明性、保香性、耐水性、耐油性、引張強度が優れています。このメリットを利用してフィルムやシートはもちろん、包装資材などに使用されることが多く、グッズ制作にも活用が期待できます。

PLA樹脂のメリット

  • 植物を原料としており、カーボンニュートラル性がある
  • 生分解性で、廃棄後も地球に負荷をかけないものづくりが可能
  • 有限資源ではなく、持続可能な材料の調達が実現
  • 耐水性、保香性、耐油性、引張強度が優れている

耐熱性や耐衝撃性、コスト面の課題がデメリットに

PLA樹脂のデメリットは、他のプラスチックと比べ耐熱性や耐衝撃性が弱く、成形加工がしづらい点です。成形に高度な技術や工夫が必要で、使用範囲が限定されてしまう恐れも。しかし、この点に関しては混合する素材の性質によって加工のしやすさや耐熱性や耐衝撃性の向上が望めるとされ、研究が進められています。

また、一般的なプラスチックよりも現状コストがかかる点もデメリットでしょう。主原料となるトウモロコシやジャガイモなどを海外から輸入する場合の、為替変動や輸送費の増加などもコスト増に結びついています。

4.PLA樹脂を活用したおすすめグッズ

新しいプラスチックであるPLA樹脂は、今後もますますその用途が広がる可能性を秘めています。PLA樹脂を活用したグッズにはどんなものがあるのか見ていきましょう。

従来のプラスチックや紙からPLA樹脂に替えたおすすめグッズ

PLA樹脂を使用することにより、石油由来のプラスチックや紙素材製品のマイナス面を補ったグッズ制作が可能になりました。

江戸川物産株式会社』は、コールドドリンク専用のエコストローを発売。PLA樹脂とコーヒーかすの混合素材を使った新商品で、紙ストローの「時間が経つと液体で柔らかくふやける」という欠点を解消しました。石油由来のプラスチックストローと違い、使用後は処理施設で分解できるエコな商品です。

さらに『スターバックスコーヒー』では、PLA樹脂を使用したオリジナルタンブラーが登場。タンブラーの本体部分にPLA樹脂を採用した商品で、使い捨てではなく繰り返し使用できる点も含め、環境にやさしい製品となっています。

アイグッズでは、新たにPLA樹脂とコーヒーかすを混ぜ合わせた素材を使用した、キッチン雑貨をリリース。従来より販売していた、抽出後のコーヒーかすを再利用して生まれ変わらせる「SUS coffee」シリーズをパワーアップさせました。コーヒーかす利用によるプラスチック量削減はもちろん、植物由来のプラスチックであるPLA樹脂を採用することで、地球温暖化対策につながります。

ラインアップはタンブラー、プレート、カトラリーセット、マグ&スプーンの4種類。軽量でシックな色合い、独特な素材感もおしゃれです。

5.植物由来の地球にやさしいPLA樹脂。混合する他素材に合わせた進化にも期待

プラスチック資源の削減が進められるなか、植物が主原料のPLA樹脂はサステナブルな素材として注目度が高まっています。混合する素材に合わせた研究開発も盛んで、今後ますます身近な商品へ展開されていくことでしょう。

アイグッズでは、先述した新素材のラインアップを皮切りに、PLA樹脂を使用したアイテムの取り扱いを強化。ノベルティや販促品、オリジナルグッズの企画において、従来のプラスチックからPLA樹脂に置き換えることでSDGsへの取り組みの一助としてみませんか。

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