パイル生地とは?素材の特徴やメリット・デメリットなどグッズ制作に役立つ豆知識をご紹介
2025/02/14

「パイル生地」は、生活雑貨やファッショングッズ、衣服など、赤ちゃんから年配の方まで幅広い層の生活に密着するアイテムに使用される素材です。しかしパイル生地と一口にいっても、実はその種類は多種多様。種類ごとの特徴を押さえることでより良いグッズ制作が実現します。
そこで今回は、パイル生地とはいったいどのような素材なのかを徹底解説!タオル地との違いや適した季節、メリット・デメリットも踏まえて分かりやすくまとめました。よくある用途や弊社における活用事例も併せて、ぜひオリジナルグッズ・アメニティ制作の参考にしてください。
1.パイル生地とは

まず、パイル生地の特徴を説明します。名前の由来やタオル地との違い、使用に適した季節も踏まえて、どのような素材なのか確認していきましょう。
パイル生地の特徴
「パイル生地」とは、糸をループ状に織った素材を指します。軽量かつ吸水性と弾力性に優れ、ふんわりもこもこした独特の触感が特徴。種類や加工にもよりますが単価も比較的安く、グッズ制作のコストが抑えられるのもうれしいポイントです。
パイル生地の名前の由来
パイル生地は、使用されている言葉の意味が名前の由来です。糸がくるっと丸く巻かれた状態の集合・積み重ねを、英語で「パイル(pile)」といいます。それがそのまま生地の名称となりました。
パイル地とタオル地の違い
パイル地に似た素材として「タオル地」があります。両者は同じものだと思われがちですが、厳密には異なる素材です。
パイル地は、冒頭で説明したように、糸をループ状に折り上げた生地を指します。一方、タオル地は本来、糸を平織りした生地の名称として使用されてきました。現在は、タオルとして活用するために、吸水性を持たせた生地の総称として「タオル地」が使われることが増えています。他にも、ガーゼ生地やワッフル生地、無撚糸などもタオル地に分類されます。

つまり、パイル地はタオル地の代表格。吸水性の高さからタオルによく使用されますが、そのほかガーゼ生地やワッフル生地、無撚糸などもタオル地の一種です。
パイル生地が使える季節
パイル生地は、オールシーズン使用できます。ふんわりとした見た目から夏は暑いと思われがちですが、優れた吸水性から、汗をかきやすい夏場のルームウェア・雑貨の生地にぴったりです。その一方で、厚みを持たせたパイル生地は保温性が高いため、秋冬物の生地としても重宝されます。
パイル生地がサステナブルなポイント
パイル生地は何度でも使いたくなるような上質な肌触りと季節を問わず使用できる実用性の高さから、持ち帰りによる再利用も促せるでしょう。
さらに、エコな天然由来の素材や再生素材などを取り入れることで、よりエコな姿勢がアピールできるはず。つまりパイル生地とは、企業・ブランドや施設のSDGs活動の一環として手軽に活用できる素材なのです。
2.パイル生地の種類とそれぞれのメリット
パイル生地には「ループパイル」と「カットパイル」の2種類があります。種類によって特徴とメリットが異なるため、以下でそれぞれの違いをみていきましょう。
ループパイル

ループパイルとは、パイル生地のうち、ループ状に折り上げた糸をそのまま生地にしたものです。ふっくらとした厚みと弾力のあるやさしい肌触り、高い吸水性が特徴で、一般的にパイルというとループパイルをイメージする方が多いでしょう。
ループパイルは、タオル地としてはもちろん、衣類などにも用いられる素材です。例えば、スウェットによくある「裏毛(うらけ)」と呼ばれる生地もループパイルで作られています。
カットパイル(シャーリング)

カットパイルとは、糸をループ状に折り上げたのち、先端をカットした生地です。別名「シャーリング」とも呼ばれます。
カットパイル(シャーリング)の代表的な生地は「コーデュロイ」「ベロア」「ベルベット」。作り方に違いはあるものの、全体的に毛羽立ちとマットな光沢を感じる滑らかな肌触りが特徴です。毛足が短いので吸水力はループパイルに多少劣りますが、そのぶん加工やプリントに適しています。
3.パイル生地のデメリット

触り心地や機能性がよく、人気の高いパイル生地。しかし生地特有の性質から、取り扱いに注意が必要です。ここからは、パイル生地のデメリットについて説明します。
糸が引っかかりやすい
糸が表面に飛び出た構造になっているパイル生地は、爪や尖ったモノに触れると引っかかる、いわゆる「パイル抜け」が起こりがち。パイル抜けはそのままにしておくとどんどん悪化するため、伸びた糸を専用のカッターやハサミでカットするなど、すみやかに対応しなければなりません。
摩擦に弱い
パイル生地は、総じて摩擦に弱い素材です。特にカットパイルは摩擦が加わると毛が潰れ、変なテカリが出たり、繊維が抜けるいわゆる「毛羽落ち」してほかの衣類・雑貨に付着したりしやすくなります。強く擦る行為は極力避けるとともに、洗濯の際もネットに入れて水を多めに使うよう注意してください。
手入れにコツがいる
パイル生地は、お手入れ時の取り扱いにコツがいります。まず洗濯時、柔軟剤は基本的にNG。どうしても使用する際は、大量に投入するとゴワついたり吸水力が落ちたりするため、必ず少なめ〜適量にしてください。
またパイル生地は、吸水性の高さゆえに、乾くまでに時間がかかりがち。厚みがあるほど、必要な乾燥時間も長くなります。しっかり乾かさないと嫌なニオイの原因になるので、洗濯後は生乾きのまま放置せず、すみやかに風通しのよい場所に干しましょう。
4.パイル生地がおすすめのグッズ

パイル生地は、主に次のようなグッズの素材として活用されています。
タオル
パイル生地の代表的な用途といえばタオル類。フェイスタオルやハンドタオル、ホテル・旅館のアメニティのバスタオルなど、あらゆる種類のタオルの素材として使用されています。
タオルの種類も、全面パイル生地の「総パイルタオル」のほか、端をフラットにした「平地付きタオル」などさまざまです。なお平地付きタオルのうち、両端プリントを「両袖」、片側のみは「片袖」といいます。タオルの毛足の長さや生地の厚み、カラーなどでオリジナリティを出すことで、他社との差別化を図りましょう。
パジャマ・ルームウェア・バスローブ
パイル生地は、触り心地と吸水性のよさを活かし、パジャマやルームウェア、バスローブなどの生地にもよく使われています。ほかの生地と比べ単価が安いため、アパレル制作コストも最小限。軽いので肩が凝らず、リラックスして過ごせる衣類が作れるでしょう。
なお、吸水性やカジュアルさを重視するならループパイルが最適。高級感のある雰囲気の衣類には、カットパイルがおすすめです。また両面パイルにするのもよいのですが、肌に直接触れる片面のみにすれば、質感・機能性はそのままに着用・接触などによる摩擦や引っかかりが防げます。
ルームスリッパ
ルームスリッパをパイル生地で作れば、汗をかきやすい足の裏が快適な状態に保てます。オールパイルのスリッパは洗濯も可能なので、いつでも清潔を維持できるうえ、くり返しの使用もOKです。
赤ちゃん用グッズ
やさしい肌触りのパイルは、ベビーグッズの定番の生地です。汗やよだれをよく吸うため、スタイや服、おくるみにもよく使われています。また、ぬいぐるみやラトルなど、赤ちゃんのおもちゃの生地にもぴったりです。
5.【番外編】SUSPRO調査隊プレゼンツ
すぐ導入できる!パイル地を使用した備品・アメニティ
パイル地を使ったアメニティの代表格といえば、室内や館内で使用する「スリッパ」。ここでは、数多くのホテルアメニティを手がける「SUSPRO(サスプロ)」が、イチオシのパイル生地スリッパ2種のおすすめポイントと、導入時の注意点を紹介します。
SUS Pile Slippers(パイル地スリッパ)

クッション性のあるパイル生地を使用した、肌触りの良いスリッパです。パイル生地特有の速乾性から非常に蒸れにくいため、温泉上がりなどで足を清潔に保ちたいというニーズに応えられます。
SUS Pile Cushion Slippers(パイル地クッションスリッパ)

パイル生地のスリッパに5mmのソールを加え、クッション性を高めたスリッパです。弾力と生地特有のふわふわな感触をより強く感じる仕様になっており、移動や観光による足の疲れを軽減させる効果が期待できます。前開きのデザインを採用しているため、蒸れにくさも抜群です。
パイル生地を使ったアメニティを導入する際のポイント

SDGs活動が推奨される現代では、アメニティを導入する際、品質だけではなく環境面にも配慮することが大切です。エコなアメニティを導入したり、「持ち帰りたいと思わせるアメニティ」にシフトすることで、ホテル・旅館は手軽にサステナブルな取り組みができます。パイル生地は、何度も繰り返し使いたくなるような素材が特徴の一つ。パイル生地を使用したアメニティを導入することは、まさに環境に配慮した取り組みの一環と言えるでしょう。
今回ご紹介したパイル地スリッパ2種は、宿泊中に何度でも使用したくなる機能性とデザイン性を兼ね備えた優れもの。実際に多くのホテル・旅館様がこぞって採用されており、宿泊者が持ち帰るケースも増えたとの声も寄せられました。ブランド戦略の一手として、サステナブルな備品やアメニティを積極的に取り入れてみませんか。
6.パイル生地でのオリジナルグッズグッズ・アメニティ制作なら「SUSPRO」へおまかせを!
ふんわりとした柔らかな触り心地と優れた機能性を兼ね備えたパイル生地は、今や私たちの暮らしになくてはならない生地の一つ。用途ごとに種類を使い分けて、お客様に喜ばれるグッズを制作しましょう。
パイル生地を使ったオリジナルグッズやアメニティ、客室備品の制作に関するご相談は「SUSPRO」へおまかせください。今回紹介したスリッパのほか、ご要望やイメージに応じて最適なアイデアを提案します。企画はもちろん、制作・納品までワンストップ体制でサポートしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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