EVA素材の魅力を徹底解説!メリット・デメリットとプラスチックの代替としての可能性
2025/02/07

グッズ制作などで見かける機会も多いEVA素材。名前は聞いたことがあっても、どのような素材なのか詳しく知らない方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、EVA素材の魅力をメリット・デメリットも踏まえて徹底解説。主な用途やグッズの制作事例なども紹介します。手軽に作れるエコグッズを探している方は、ぜひ最後までご覧ください。
1.EVA素材とは?

まず、EVA素材とはどのようなものかを説明します。
EVA素材の読み方
「EVA素材」とは「エチレン-酢酸ビニル共重合体」という樹脂のことであり「イーブイエー」もしくは「エヴァ(エバ)」と呼ばれます。英語表記である「Ethylen-Vinyl Acetate」の頭文字を取って付けられました。
EVA素材の特徴
EVA素材は、石油由来の合成プラスチックと比べ、非常に軽量かつ柔軟で優れた弾力を持ちます。電気を通しにくいほか、耐薬品性にも優れ、弱酸性やアルカリ性、無機・有機薬品などに触れてもあまり溶けたり色・質感が変わったりしません。また、周辺環境の変化による寸法の変化も少ない素材です。
さらにEVAは、塩素を含まないため、燃やしても有害物質が発生しないエコな素材でもあります。適度な熱を加えると容易に形が変えられる(熱可塑性)ところも環境にやさしいポイントです。こうした性質から、EVA素材には、環境への負荷が問題視される従来の合成プラスチックの代替品としての役割が期待されています。
EVA素材とゴムの違い
よく引き合いに出されるEVAとゴムですが、両者はそもそも原料の異なる別素材です。
EVA素材は、冒頭で触れたとおりエチレン酢酸ビニルから作られます。一方、天然ゴムはラテックスという樹液、合成ゴムは石油由来のナフサが原料です。
EVA素材とゴムの性質の違いを、下記の比較表にまとめました。
EVA素材 | ゴム | |
---|---|---|
軽さ | ◯ | × |
耐久性 | × | ◯ |
耐熱・断熱性 | × | ◯ |
環境への配慮 | ◯ | × |
EVA素材は極めて軽量ですが、強度や高温への耐性はゴムに劣ります。しかしゴムは、天然だと樹木の伐採、合成だと石油資源の大量消費および廃棄時の環境汚染の恐れが否めません。そのため、環境に配慮したものづくりを行うならEVA素材が適しています。
2.EVA素材の5つのメリット

EVA素材は、加工しやすく持ち運びにも便利。機能性も良く、人にも環境にもやさしい素材です。ここでは、EVA素材のメリットを詳しくみていきましょう。
加工性が高い
EVAは柔らかく、成形・カットも簡単なので非常に加工しやすい素材です。大きな建材や農業・工業用資材から小さなグッズ制作まで、さまざまな素材として取り入れられています。
軽量で持ち運びやすい
EVA素材は極めて軽く、製品化した際にも持ち運びに困りません。販売・配布や設置がしやすいうえ、ユーザーにとっても使い勝手のよいグッズになるでしょう。
衝撃への耐久性に優れる
柔らかく弾力の強いEVA素材は、多少の衝撃なら問題なく耐えられます。耐水性・耐光性にも優れることから、水回りや屋外で使用しても劣化の心配がありません。汚れたら水で丸洗いできるので、お手入れも簡単です。
毒性がない
EVA素材は有害物質を含まないため、人体へ悪影響を及ぼさないといわれています。口に入れても問題ないので、衛生用品や乳幼児の使用を想定したグッズ制作にも最適です。
サステナブルな取り組みがアピールできる
EVA素材は生産・廃棄の過程で環境に与える負荷が少なく、リサイクルもできます。そのため、EVA素材をものづくりへ積極的に取り入れれば、サステナブルな取り組みを行っていることが示せるでしょう。
SDGsが推進される現代において「エコ」や「サステナビリティ」は重要なキーワードです。従来のプラスチックをEVA素材に置き換えるだけで、手軽に環境配慮の姿勢が効果的にアピールできます。
3.EVA素材の2つのデメリット

EVA素材には多くのメリットがありますが、その一方で取り扱い上の注意点も存在します。以下では、EVA素材のデメリットについて確認していきましょう。
温度変化で劣化しやすい
EVA素材の弱点は、温度変化への耐性の低さです。高温だと流動性が高まりすぎて形成不良になりやすく、逆に低すぎると途中で固まってしまいます。そのため、グッズ制作時には温度管理が重要です。また製造後も、耐熱温度は約70度〜90度が限度となるので、直射日光の当たる場所や熱源の近くなど高温の環境下での使用には注意しましょう。
裂傷への耐性が低い
EVAは、衝撃への耐性は高いものの、裂傷には弱い素材です。そのため、いったん切れ目が入るとどんどん裂けていく恐れがあります。グッズ制作に取り入れるときは、あらかじめ傷が入っていないかを入念にチェックしてください。
4.EVA素材の主な用途

原料として扱いやすい性質を持つEVA素材は、現在すでに幅広い業界のものづくりに取り入れられています。グッズの具体例としては、以下をご覧ください。
【EVA素材の使用例】
- ポーチ
- バッグ・サコッシュ
- 各種ケース
- サンダル・スリッパ
- 長靴
- 靴底・インソール
- マット
- カトラリー
- キッチンツール
- アウトドアグッズ
- マリングッズ
- 子ども用玩具・遊具
上記のようなグッズを、オリジナルグッズやノベルティ、アメニティとして取り入れるのもおすすめです。高いクッション性を活かし、緩衝材や防護材、目地材(継ぎ目に用いられる材料)などの工業用品・建材としても用いられています。加熱すると溶解し、冷えると硬くなる性質から、ホットメルト接着剤の原料としても一般的です。
【番外編】SUSPRO調査隊が営業担当に聞いてみた!
EVA素材グッズについてインタビュー!
ここからは、EVAグッズの制作経験のある営業担当T.Mに、素材の活用例とそのポイントを詳しく聞いていきます。
なおT.Mは、エコアメニティ・客室備品を制作発売する「SUSPRO(サスプロ)」のオリジナル制作営業に勤めて3年の経歴を持つスタッフ。EVAだけではなく、幅広いエコ素材の知識や、アメニティグッズの形状・デザインの経験・ノウハウが豊富です。
ホテルアメニティにおけるEVAの代表的な用途といえば、室内外で使用するスリッパ・サンダルのソール。以下で、EVAを活用したスリッパの特徴についてインタビューしていきます。
よろしくお願いします。
さっそくですが、EVA素材はどのようなグッズに使用されていますか。
EVA素材は、よくスリッパやビーチサンダルなどのソール部分に活用されています。マットやインソールなど、弾力性が求められるパーツにぴったりです。またホテルのアメニティのスリッパは、館内を歩き回ることを考慮し、クッション性が重視される傾向にあります。そのため、EVAとクッションEVAの2種を展開し、幅広いニーズに応えられるようにしました。

要望に応じて通常のEVA素材とクッションEVAの2種類から選べるのは便利ですね。次に、EVA素材とクッションEVAそれぞれの特徴を教えてください。
EVA素材は高い柔軟性と弾力を備えており、その性質はゴムに似ています。高機能にもかかわらず安価なので、アメニティ制作時によく選ばれる素材です。
一方クッションEVAは、その名のとおり弾力性がより高められています。また、通常のEVAより厚みがあるため履き心地も抜群。「歩きやすさを追求したい」「高級感を感じさせたい」と考える宿泊施設様に人気の素材です。
クッションEVAは、歩きやすさに加え、高級感を再現できる素材ということですね。ただエコなだけではなく、機能性の向上やイメージアップにもつながるとは、知れば知るほど魅力的な素材だといえますね。
最後に、EVAに興味のある方へ一言メッセージをお願いいたします。
EVAの魅力を一言で表すと、何といっても「安価でエコ」。ブランドイメージにも貢献できる素材です。「エコな素材を使用したいけれどコスト面が厳しい」といった課題を解消できると思います。
また弊社では、ソールなどを一から制作する「オリジナル制作」も可能です。世界に一つしかないオリジナルアメニティ・客室備品は、宿泊施設を訪れたお客様の満足度をきっと高めてくれるでしょう。
今回紹介したEVA素材スリッパに興味のある方は、下記ページをぜひチェックしてみてください。
5.高性能で環境にやさしいEVA素材でサステナブルなものづくりを!
扱いやすい、エコ、低コストと、制作側にも使用者にとってもうれしいポイントが盛りだくさんのEVA素材。オリジナルグッズやアメニティ・客室備品に活用すれば、イメージアップと満足度向上が実現できるはずです。
EVA素材グッズの制作に関するご相談は「SUSPRO」へ!ちょっとした疑問・質問も喜んで承りますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
カテゴリ一覧
キーワードから探す
コメントを残す
※コメントは管理者の承認後に掲載されます。