ジュートとは?環境にやさしい理由と製品としてのメリット・デメリット
2024/09/26 (更新日:2024/10/01)
注目のエコ素材「ジュート」をご存知ですか?バッグやアメニティの素材として人気が高く、さまざまなシーンで活用されています。しかし、エコでナチュラルなイメージということは何となく把握しているものの、具体的にどのような素材なのかイマイチ把握していないという方もいるのではないでしょうか。
今回は、環境にやさしい理由や製品化するメリット・デメリットなどの視点から、ジュートの魅力に迫ります。適した使い道もご紹介しますので、自社製品の開発や、ノベルティの方向性に悩んでいる企画担当の方はぜひ参考にしてください。
1.ジュートとは
まず、ジュートの特徴や生産国、作り方などの基礎的な知識をご説明します。あわせて、ジュートとよく引き合いに出される麻との違いも確認しておきましょう。
ジュート生地の特徴
ジュートとは、黄麻(こうま)という植物の繊維から作られる素材です。通気性・保温性に優れ、丈夫な点が特徴であり、織り方によって以下のように名称が異なります。
名称 | 生地の特徴 |
---|---|
ヘッシャンクロス | 横糸1本・縦糸1本で目がしっかり織り込まれた生地 |
ガンニークロス(サッキングクロス) | 太めの横糸1本・縦糸2本で織った厚手の生地 |
ジュートフェルト | ジュート製の不織布 |
上記はそれぞれ質感が大きく違い、適した使い道もざまざまです。バッグやサンダル、ラグなど、ファッションアイテムからインテリアグッズまで、幅広い用途に活用されています。
ジュートの生産国
ジュートの原料となる黄麻の主な生産国は、インドやバングラディシュです。特にバングラディシュでは国内の一大産業となっており、現地でジュートは「黄金の糸」と呼ばれています。
なおジュートの歴史は古く、1790年代のイギリス東インド会社ですでに輸出産業が行われていました。
ジュート繊維の作り方
ジュートは、次の5ステップで繊維が紡がれます。
- 原料となる黄麻を収穫する
- 茎の部分を1〜2週間ほど水に浸して発酵させる(レッティング)
- 茎の外皮のすぐ内側にある靱皮(じんぴ)という繊維を取り出す
- 靱皮を水洗いして乾かす
- 糸を紡いでから生地を織る
黄麻の種まきは2~5月頃であり、一般的な収穫時期は6月~9月頃です。収穫する時期によって素材の質感が変化し、花が散る頃が最も上質だといわれています。また、工程の大半は手作業です。そのため、素材が完成するまでに、多くの人手と手間がかけられています。
ジュートと麻の違い
麻は、植物の繊維の総称です。つまり、ジュートは麻の一種。インド産の麻はインド麻、バングラディシュ産はジュートと区別される場合もありますが、基本的に両者とも同じものです。
麻素材は20種以上。代表的な素材として、ジュート、リネン、ヘンプ、ラミーが挙げられます。
素材の種類 | 和名(読み方) | 特徴 |
---|---|---|
ジュート | 黄麻(コウマ) | 非常に硬い繊維で毛羽立ちがある |
リネン | 亜麻(アマ) | なめらかでソフト |
ラミー | 苧麻(チョマ) | 繊維が太く硬い |
ヘンプ | 大麻(タイマ) | ハリとシャリ感がある |
上記はすべてファッション・インテリア業界で人気の高い素材ですが、それぞれ原料となる植物が異なります。その中で、サステナビリティの観点から注目されている素材がジュートです。
2.ジュートがエコ素材として注目される理由
同じ植物繊維の素材のうち、ジュートが環境にやさしいといわれるのは、次の4つが主な理由です。
- 成長が速い
- 栽培時の環境負荷が少ない
- 光合成の効率がよい
- 廃棄物が自然に還元される
成長が速い
ジュードの原料の黄麻は、成長スピードが非常に早い植物です。日照時間や土壌の状態にもよりますが、100日ほどで約2m〜3mの高さまで成長するため、植えてから短期間で収穫できます。
栽培時の環境負荷が少ない
ジュートの原料となる黄麻の栽培には、基本的に肥料や農薬がいりません。光合成だけでぐんぐん成長するため、土壌に与える負荷が最小限に抑えられます。
光合成の効率がよい
ジュートの原料の黄麻は、光合成の効率が非常によい植物です。光合成で吸収するCO2の量は、一般的な樹木の5〜6倍といわれています。つまり、ジュート製品の制作はCO2削減につながり、SDGsのゴール13「気候変動に具体的な対策を」に貢献できるということです。
廃棄物が自然に還元される
ジュートの加工時に出る廃棄物は主に原料の余りと水であり、そのほとんどが自然由来です。焼却時に有害物質が発生することもなく、埋立処分すれば自然と土に還ります。ジュード素材の処分は環境への負荷が最小限で、生態系にも悪影響を及ぼさないため、SDGsのゴール15「陸の豊かさも守ろう」に貢献できます。
3.ジュートの5つのメリット
ジュート素材は環境にやさしいだけではなく、事業活動にとっても次の5つのメリットがあります。
耐久性が高い
ジュートは数ある天然繊維の中でも抜群の強度です。耐水性も高く、むしろ強度が増すため、室内外のさまざまなシーンで活用できるグッズが作れます。
通気性がよい
ジュートは繊維の目が粗く、非常に通気性がよい素材です。乾きも速く、常にさらっとした状態を保てるため、水場や夏季のグッズによく取り入れられています。
保温性がある
目をぎゅっと詰めて編んだジュート素材は、高い保温性を持ちます。ジュートの毛羽立ちが暖かい空気を閉じ込めるため、冬の寒い時期でも温かさを逃しません。
単価が安い
ジュートは天然素材の中でも単価が安いため、生産コストが最小限に抑えられます。そのうえ丈夫で長持ちするため、コストパフォーマンスが高い素材です。
手入れが簡単にできる
ジュート素材の基本的なお手入れ方法は、乾拭きもしくは固く絞った水拭きです。軽く叩くようなイメージで汚れを落とし、日陰干しでしっかり乾かすだけなので、お手入れが簡単に済ませられます。
メリットまとめ
- 耐久性が高い
- 通気性がよい
- 保温性がある
- 単価が安い
- 手入れが簡単にできる
4.ジュートのデメリット
ジュートにはたくさんのメリットがある一方で、次の4つのデメリットがあることも把握したうえでものづくりに取り入れてください。
手ざわりがチクチクする
ジュートは目が粗く毛羽立っているため、チクチクした手ざわりです。使用しているうちに細かい繊維が抜けて散らばったり、洋服などに引っかかったりすることもあります。また、刺激になる場合もあるため、肌が敏感な方や小さなお子さま向けのグッズの素材にはあまり向いていません。
独特のにおいがある
ジュートは植物由来の繊維であり、独特の原料臭があるため、好みが分かれやすい素材です。また、加工の過程で、油のにおいが染みついている場合もあります。
とはいえ、これらのにおいは空気に触れると薄れるため、さほど気になりません。どうしても匂いが気になる場合は、使用前に陰干しすると軽減されます。
保管方法に注意がいる
ジュートなどの天然素材は、害虫がわきやすく、保管の状態によっては虫食いやカビが生じる場合があります。そのため、高温多湿を避け、風通しのよい場所で保管するよう注意喚起が必要です。
また、ジュートは洗濯機などでの丸洗いはできません。無理に洗うとシワが戻らなかったり毛羽立ったりしやすくなるので、ひどく汚れた際はクリーニングに出すよう明示しておくほうがよいでしょう。
生地の質感が均一になりにくい
ジュート生地は質感に不安定さのある素材です。ジュート以外の異色糸が混入していたり、糸の太さが異なったりする箇所がみられます。また、収穫した時期や環境によって色に差が生まれるため、必ずしも試作品と同じ色になるとは限りません。
とはいえ、こうした不均一な質感はジュートの味でもあり、ポジティブに捉えれば二つとない個性です。「一つひとつ違った表情」「世界に一つだけ」など、プロモーションに工夫すれば、消費者の心をくすぐる製品になるかもしれません。
デメリットまとめ
- 手ざわりがチクチクする
- 独特のにおいがある
- 保管方法に注意がいる
- 生地の質感が均一になりにくい
5.使い道がたくさん!ジュート素材のグッズの利用シーン
ジュート素材のグッズは、以下のようなシーンで活用されています。
- アパレル・生活雑貨のノベルティ
- イベント・ライブ・フェスの物販
- 食品のセット販売
- 各種説明会・見学会などの来場記念品
- サンプリング・資料配布
- ホテル・旅館のアメニティ
ナチュラルで温かみのあるジュート素材は各業界のノベルティや物販にもよく利用されています。単価が安いため、セット販売や記念品、無料配布にも最適です。また、ホテル・旅館業では、衛生用品や入浴用品の収納グッズなど、さまざまなアメニティに加工されています。
よくあるジュートグッズといえば、直線的で加工しやすいトートバッグです。綿やリネンなどと組み合わせてアレンジすれば、素材の硬さがカバーできるため、ポーチ・巾着やブックカバーなどの小物にも加工できます。また、イラスト・ロゴのプリントや文字入れに対応していますので、宣伝・PRやブランディングにも活用できるでしょう。
【番外編】当社グッズ企画営業担当のオススメの使い方!
当社はサステナブルなオリジナルグッズを制作しています。
今回、グッズ企画・営業の担当者にジュートの特徴やオススメの使用方法について聞いてみました。
<営業担当者の声>
化粧品・アパレル・カフェなど、さまざまな業界でジュート素材は人気です。「ナチュラル・オーガニックな見た目」「環境配慮」「夏らしく涼しい感じ」「おしゃれ」な点が魅力だと、お客様から多くのお声をいただいています。
特に、夏のキャンペーンやナチュラル志向のブランド様、沖縄県をはじめとする臨海地域などでジュート素材のバッグが大好評。また、ホテル業でもビーチバッグや客室備品としてジュートバッグを導入する施設が多い印象です。
自然由来ゆえの硬めの質感で、形状が崩れにくい点も人気の秘訣。マチがしっかり取ってあって独立するため、使い勝手が良い製品です。アイテム自体が他社と被っても、持ち手を本革にしたり、パイピング部分にデザインを施したりなどのこだわりで差別化が図れますよ。ジュートにコットン素材を織り混ぜ、館内での持ち歩き用の巾着などをつくるホテル・旅館もあるようです。
6.ジュート素材のオリジナルグッズ・アメニティ制作は「SUSPRO」へ!
サステナブルで使い勝手もよく、さまざまな用途に使えるジュート。ものづくりにうまく取り入れて、エシカルな姿勢やナチュラルなブランドイメージの定着に役立てましょう。
ジュート素材のオリジナルグッズやノベルティ、備品・アメニティの制作なら「SUS amenity」へご相談を!ご予算・コンセプトに応じて最適かつ高品質のグッズをフルオリジナルでご提案します。企画から納品までワンストップでご提供しますので、どんなグッズを制作するか明確に決まっていなくてもお気軽にお問い合わせください。
カテゴリ一覧
キーワードから探す
コメントを残す
※コメントは管理者の承認後に掲載されます。