ビジネス向け エコ単語解説

【ビジネス向け解説】エシカルとは?意味や企業の取り組み事例を紹介

2021/11/04 (更新日:2022/01/17)

「倫理的な」という意味をもつ、エシカル(Ethical)。「人や社会、地球環境、地域に配慮した考え方や行動」を指す言葉として使われています。

中でも自然破壊や貧困、人権問題といった世界の課題、そして地域の活性化などに配慮した商品やサービスを「消費」することを、「エシカル消費」といいます。

SDGsの普及により、一人ひとりの行動が地球環境や社会に与える影響について見直されている昨今。消費者個人だけではなく、企業としても、エシカルな行動に結びつく商品やサービスを提供することが求められています。

今回の記事では「エシカル」の意味を、ビジネス視点で事例を参考にしながら解説したいと思います。

1.SDGs、ESGとの関連性とは?サステナブルな社会に向けた目標

「エシカル」は「エシカル消費」という言葉が浸透しつつあり、すでに個人消費で実践している方も多いのではないでしょうか。

一方、「SDGs」や「ESG」は企業規模で取り組む目標や指標というイメージから、エシカルとは次元が異なると感じることがあるかもしれません。

実は、エシカルとSDGs、ESGは密接につながっています。エシカルとSDGs、エシカルとESGがそれぞれどのように関連しているのか、解説していきます。

エシカルとSDGs

2015年9月の国連サミットで採択された国際目標であり、「持続可能な開発目標」という意味を持つSDGs。近年、さまざまな企業がその達成に向けて活動を始めています。

企業活動においてもエシカル消費を意識すると、SDGsの17の目標のうち、「12 つくる責任 つかう責任」の達成に貢献できます。

それだけではなく、目標の達成に向かう過程で、ほかの分野のあらゆる目標が複合的に相互関連しています。エシカル消費の取り組みそのものが、SDGs全体に大きく関わっています。

エシカルとESG

環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字をとったESGという言葉。「ESG投資」という言葉でよく使われますが、これは、収益や売上を求めるだけではなく、環境への影響、働き方、経営の公正・透明性といった観点で企業を評価し、投資することです。2006年に国連が「責任投資原則」を発表して以来、投資家や取引先からの要請によって注目されるようになりました。

企業活動では、例えば材料をフェアトレード品にしたり、認証を取得した素材を使ったりするなど、エシカルな選択を重ねることがESG投資において評価されます。結果的に、投資を集めたり社会的評価を高めたりすることにもつながると考えられます。

2.そもそも、エシカルとは?その意味を解説

SDGs、ESGとの関わりが深いことが理解できたところで、次は「エシカル」の言葉の意味や背景を解説していきます。より深く理解し、正しい知識をもってビジネスに活用しましょう。

エシカルの基本情報

エシカル(Ethical)とは、「倫理的な」と訳される英語。一般社団法人エシカル協会によると、エシカルの意味は「法的な縛りはないけれども、多くの人たちが正しいと思うことで、人間が本来持つ良心から発生した社会的な規範」とされています。最近では「人や社会、地球環境、地域に配慮した考え方や行動」を指して使われることが増えています。

このようにエシカルという概念が普及してきた背景には、地球環境の変化があります。21世紀に入って温暖化が進み、異常気象、資源の枯渇、生物多様性の損失などさまざまな問題が指摘されるようになりました。安くて便利な商品を先進国へ提供するために、発展途上国では生産者や労働者が劣悪な環境で働いていたり、児童労働が行われていたりといった社会問題もあります。

「ものをつくる人」と「ものを使う人」のどちらも、環境や社会への配慮が求められる今。「何を選んで、何を使うか」といった選択が、地球環境や生産者、社会に大きな影響を与えます。そこで大事になる規範がエシカルというわけです。

「エシカル消費」とは?具体例や認証マークの見分け方

エシカル消費の仕組みについて 作成:アイグッズ

環境や社会に配慮した行動のひとつに、「エシカル消費」があります。消費者の目線で、「エコな商品を選ぶこと」「地域の特産品を選ぶこと」「フェアトレード商品を選ぶこと」といった、ものを購入するときに選ぶ指標となる考え方のことを指します。

こうしたエシカル消費に貢献する企業の活動には、次のような例が挙げられます。

ビジネスにおける「エシカル消費」の例

オリジナルグッズの制作では、オーガニック製品や再生素材を使う

・製品の企画では、材料にフェアトレード商品を積極的に導入する

被災地でつくられた製品や材料を活用したものづくりを進める

・リサイクルできる素材を使うなど、循環型の商品を製作する

・製作の過程における脱炭素化に努める

こうした企業の活動によって生まれる、サステナブルな製品やサービス。消費者が実際にものを選ぶ基準のひとつに、認証マークがあります。具体的にどのような認証マークがあり、それぞれどのような基準をもつ制度なのか見ていきましょう。

エシカル消費の参考になる認証マーク

・有機JASマーク

[出典]/農林水産省Webサイト/https://www.maff.go.jp/j/jas/jas_kikaku/yuuki.html

…自然の力で生産された農産物、加工食品、飼料、畜産物に付けられる

・国際フェアトレード認証ラベル

…原料の生産から製造までの工程が国際フェアトレード基準を満たした製品に付けられる

・MSC認証

…水産資源と環境に配慮した漁業で獲られる天然の水産物に付けられる

・レインフォレスト・アライアンス認証

…持続可能な農園の認証を受けた食品に付けられる

・RSPO認証

…認証農園で生産された、持続可能な認証パーム油を使用した製品に付けられる

・エコマーク

…環境保全に役立つと判断された製品に付けられる

・GOTS(オーガニック・テキスタイル世界基準)

…有機栽培の原料を使用し、環境と社会に配慮して加工・流通された製品に付けられる

Organic Content Standard認証

…原料から最終製品までを追跡し、オーガニック繊維製品と認められた場合に付けられる

・FSC認証

…適切な管理の認証を受けた森林の木材や、木材製品に付けられる

・伝統マーク

[出典]/経済産業省ウェブサイト/https://www.meti.go.jp/policy/mono_info_service/mono/nichiyo-densan/index.html

…地域に根付いた技術などでつくられたものに付けられる

3.エシカルとビジネスの関係 (事例)

「エシカル」とひと口に言っても、企業の取り組みとして具体的にどのように取り入れたら良いのか、悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

SDGsの普及とともに、企業も消費者も、地球環境や地域、人権、社会への配慮が考えられた製品やサービスを選ぶ傾向が高まっています。こうした世の中のニーズに呼応するように、エシカルに関連した取り組みを進めている企業は、どの業界でも急増しています。

ビジネスモデルに合わせて効果的に取り入れるために、企業の事例を参考に見てみましょう(事例は随時、更新)。

エシカル×コスメ丨ラッシュ「『ラッシュの信念』を根底に、ブランドの核となる指針としてエシカル精神を徹底」

英国発のコスメブランド、『ラッシュ(LUSH)』。創立以来信じ続ける信念として「ラッシュの信念」を掲げ、お客様の価値観を尊重する安心・安全な商品づくりを徹底しています。 

例えば、動物実験の反対について。原材料や資材の買い付けは動物実験を行っていない会社を選定し、さらに安全面では人間の肌や代替法を使って確認するよう配慮しています。また合成保存料やパッケージは可能な限り使用せず、原材料はすべてベジタリアン対応に限るなど、『ラッシュ』が信じる商品の“価値”はエシカルの観点において多くの企業が参考にできることでしょう。

そんな「ラッシュの信念」を根底に、核となる倫理的指針として「エシカル憲章」が策定されています。エシカル憲章は「7つの核となる指針」「進化する9つの指針」から成り立ち、『ラッシュ』グループ全体の指針としてエシカルな精神を約束。ラッシュでは、倫理観(エシックス)こそがビジネスの根底にある重要な考え方であり、この倫理観をビジネスの原動力にしています。  

>>取材協力『ラッシュジャパン合同会社・ラッシュのエシカル憲章』  

エシカル×飲食丨​スターバックス「エシカルなコーヒーの調達100%を目指して」

大手コーヒーチェーンの『スターバックス コーヒー』では、持続可能な調達のガイドライン「C.A.F.E.プラクティス」を、国際環境NGOのコンサベーション・インターナショナルの協力のもとで作成。生産地にはファーマーサポートセンターを開設し、豆の品質や生産性向上のためにコーヒー栽培の専門家が生産者を直接サポートしています。

こうしたエシカルなコーヒー調達を、2015年4月には提供するコーヒーのうち99%について達成。4大陸20カ国以上のコーヒー生産者約100万人の生活環境に対する良い変化と、膨大な数のコーヒーの木を守ることにつながったと公式サイトで紹介されています。このようなエシカルな活動に対し、コーヒーを愛する顧客から多くの共感を得られ、さらなる購買意欲の向上につなげられているようです。  

>>取材協力『スターバックス ストーリーズ ジャパン』  

エシカル×ファッション丨Allbirds「カーボンフットプリントを表示した製品販売の取り組み」 

靴のデザインと販売を行う『Allbirds』は、参入したばかりのスニーカー市場において、わずか2年で約100万足を販売した米国企業。サステナブルな素材を使用した商品展開を特徴とし、2019年にはカーボンニュートラルを達成しています。環境省の「令和2年度 ファッションと環境に関する調査業務」によると、2020年4月、ファッションブランドとしては世界で初めて全製品にカーボンフットプリントを記載することを発表しました。 

カーボンフットプリントとは、素材調達から廃棄またはリサイクルに至るまで、その商品やサービスのライフサイクル全体を通して排出される温室効果ガスの量を二酸化炭素に換算し、表示する仕組みのことです。 

この取り組みによって、シューズに関して前年対比10%以上のカーボンフットプリントの削減に成功。計測した結果をもとに、新しい商品の開発では、さらにカーボンフットプリントの削減を目指した指標を立て、必ず環境負荷を下げるよう設計を行うことを続けています。 

こうした「商品の企画性」や「細かな情報の開示」によって、話題性を持たせながら消費者に正しく情報を伝えることを可能にしています。「おしゃれで機能性がありながら、環境に配慮した靴」として、一般の消費者に向けてエシカル消費を促している代表的な成功例です。 

>>取材協力『Allbirds合同会社』 

※文章、画像は各企業に掲載許可をいただいております。無断転載はご遠慮ください。

4.今後注目!エシカル〇〇

エシカルを意識した活動は、今後はさらに多分野へ広がることが予想されます。ここでは「エシカルフード」「エシカルファッション」など、すでに普及しつつある関連単語を解説することで、新しいエシカル概念についてイメージしましょう。

エシカルファッション

エシカル消費の考え方に合うファッションの総称が「エシカルファッション」。環境にやさしい生産体制や、適切な労働環境のもので生産されたファッションなどを意味する概念です。『GUCCI』などのハイブランドから、『ユニクロ』などファストファッションブランドまで、多くのアパレル企業で、エシカルファッションがすでに実践されています。

エシカルフード

「エシカルフード」とは、原料から消費に至るまでの工程で、環境や動物、地域などに配慮した食品のことを指します。環境問題や貧困問題、フードロスなどの問題が浮上したことにより、注目されるようになりました。

主なエシカルフードには、フェアトレード商品、オーガニックフード、ヴィーガンフード、地産地消の素材があります。こうしたエシカルフードを選ぶことで、消費者は自然とエシカル消費に貢献できるようになっていきます。

エシカルコンシューマー

「エシカルコンシューマー」とは、エシカル消費を実践する人のこと。人や社会、環境などにやさしい消費行動をいつも意識して行う人のことです。消費者に限らず、企業もこれに当てはまります。

エシカル消費の認知度が高まるにつれて、企業や消費者はただ選んで買うことだけではなく、その商品やサービスが「本当に環境に配慮されているのか」をしっかりと見極めることが求められています。「買うことで何に対してどんな効果があるのか」を意識しながら、責任のある「買う」「使う」を行うことが大切です。

エシカルヴィーガン

完全菜食主義のことを指す「ヴィーガン」は、それ自体に動物愛護や食の観点から「環境問題を見直そう」という考え方が含まれています。さらに食だけでなく、レザーや羽毛など動物製品全般を避けるライフスタイルを「エシカルヴィーガン」と呼びます。

エシカルという概念の広がりとともに、飲食やアパレルなどの業界を中心に、エシカルヴィーガンに関する取り組みもますます増えていくことでしょう。

グリーン購入

「グリーン購入」とは、ものを買うときに必要性や環境負荷をよく考え、環境負荷の低減に努める事業者から優先して購入すること。日本ではエシカル消費を進める一環として、2000年5月に「国等による環境物品等の調達の推進等に関する法律(グリーン購入法)」が制定。国のグリーン購入義務化などが定められています。

5.【番外編】エシカルに関連する言葉

最後に、エシカルをより理解するために役立つ、さまざまな関連用語について解説します。環境や社会を取り巻くあらゆる問題や、それに対応した取り組みについて知ることで、エシカルをより効果的にビジネスに活用することができるでしょう。

サステナブル

SDGsは「Sustainable Development Goals(サステナブル デベロップメント ゴールズ)」の略称ですが、そのSDGsの採択以来、使われることが多くなったサステナブル。

「持続可能な」と訳され、自然環境や社会、経済の持続可能性を示す概念として一般的に用いられるようになりました。

>>「サステナブルとは?」

フェアトレード

発展途上国で生産された原料や製品を適正な価格で継続的に購入すること。それによって、発展途上国の生産者や労働者の生活改善を目指す貿易のしくみのことを「フェアトレード」と呼びます。フェアトレード製品を選んで買うことは、エシカル消費における「社会への配慮」を目指した行動のひとつです。

>>フェアトレードとは?

アップサイクル

アップサイクルとは、捨てられるはずだったものに新たな付加価値を持たせ、別の製品に生まれ変わらせること。古着のリメイクがよく知られ、ファッション業界など各業界で注目されていますが、近年はとくに食品のアップサイクルが活発化しています。アップサイクルは廃棄物削減などに貢献。アップサイクルによって生まれ変わった商品を買うことも、エシカル消費につながります。

>>アップサイクルとは?

エコ

エコは生態学・自然環境という意味を持つ英単語「エコロジー(Ecology)」から派生した言葉。主に、環境にやさしい、という意味で使われています。

また、経済を意味する「エコノミー(Economy)」の略称としての一面も。近年は環境と経済、どちらの意味も含む言葉として使われることが増えているようです。エシカルな企業活動、個人消費により、環境問題を解決していくことが世界経済の発展に必要です。

オーガニック

オーガニックは「有機」という意味を持つ言葉。農業や林業、水産業などにおいて、農薬や化学肥料に頼らず、太陽や生物など自然の恵みを生かして生産する方法のことです。

「オーガニックコットン」や「オーガニックコーヒー」といった言葉を聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。「オーガニック」と名のつくものは、消費者にとって身体にやさしいというだけではありません。例えばオーガニックコットンの場合、肌にやさしいことはもちろん、綿花の栽培に使う農薬によって起こる、生産者の健康被害を抑えることにもつながります。エシカル消費には、オーガニック製品を優先して選ぶことも含まれます。

6.エシカルの概念を取り入れて、環境や社会により配慮したものづくりを

個人消費はもちろん、企業活動においても取り入れられることが増えている「エシカル」という概念。今後ますます、一般的な消費スタイルとなっていくことでしょう。

エシカルな行動を続けることは、地球環境にやさしいこと、貧困や人権問題といった世界の課題を解決することなど、さまざまな面でSDGs達成に貢献できます。

まずは、ノベルティや販促品、オリジナルグッズ制作などで、よりエシカルな企業活動を実践してみてはいかがでしょうか。アイグッズでは、サステナブル素材を使ったOEM、ODMなどのノウハウを生かし、エシカルな企業活動をこれからもサポートしていきます。

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