【ビジネス向け】環境ラベル一覧&関連商品を解説!企業がSDGs活動で差をつけるために知っておくべき認定制度とは

2022/03/31 (更新日:2024/09/30)

【ビジネス向け】環境ラベル一覧&関連商品を解説!企業がSDGs活動で差をつけるために知っておくべき認定制度とは

2015年に持続可能な開発目標としてSDGsが採択されたのを皮切りに、日本では環境に配慮した商品を選んで購入する「エシカル消費」が浸透し始めています。

これにより企業は「つくる側」、消費者は「つかう側」としてSDGsに貢献する取り組みが加速。エコな製品を選ぶ際に目印となる、「環境ラベル」の認証に対する重要性が高まっています。

また事業活動において脱炭素経営に向けた目標を設定し、特定の基準を満たすことで“認定”を受けられる、「SBT」や「RE100」などの国際的な取り組みに参加する企業も増加。さまざまな認証や認定を受けることで、サステナブルな取り組みを対外的にアピールしながら、環境保全に貢献できることが大きなメリットです。

そこで今回は、環境を守るために企業が取得を目指すべき認証・認定制度について詳しく解説します。

1.環境ラベルの認証制度を企業が意識すべき理由とは

1.環境ラベルの認証制度を企業が意識すべき理由とは

SDGsを意識する消費者にとって、環境ラベルはエシカル消費の目印のようなもの。ラベルの付いた製品を通して、「環境に配慮した活動を行っている」とたくさんの人に感じてもらえるほか、他社製品との差別化も期待できるのです。

また、企業は環境ラベルの認証を取得したことを公的な場で発表することができます。SDGsの目標達成に貢献できるのも企業にとって大きなメリットです。

2.SDGsと関わりが深い環境ラベル一覧

環境ラベルについては、国際的なものから日本国内のものまでさまざまな認証制度が存在します。そのなかでもSDGsと関連性の高いものをピックアップし、どのゴール達成に貢献するのかを紹介します。

ここで各認証制度の「ゴール」として挙げたものはあくまでも代表的なものであるため、場合によっては複数のゴール達成につながることがあります。

3.環境ラベルの意味と関連商品を解説

先述した8つの環境ラベルについて、それぞれ認証制度の概要を解説します。実際にどんな製品が環境ラベルの認証を受けているか、製品例も知ることで具体的なイメージを膨らませていきましょう。

FSC認証

FSCⓇ認証

FSCラベルは、環境や動植物を守り、森林に依存する人々や林業従事者の人権を尊重し、適切に管理された森林の樹木や適切だと認められたリサイクル資源で作られた紙・木材製品につけられるラベルです。

Forest Stewardship Council® (FSC®)は、森林減少など世界の森林が抱える問題や市民の環境意識の高まりを背景として、責任ある森林管理と林産物の利用を普及するために1994 年に設立。適切に管理された木材とその製品を確実に消費者に届けることで、森林資源の保全を消費者が支える仕組みをつくっています。

商品例としては、製紙会社などによるFSC森林認証紙があります。代表的な例では、「スターバックスコーヒー」の店舗で提供される使い捨てストローや紙カップなどに使用されています。ほか、「カリモク家具」の一部家具にも使用されるなど、木材に関わるさまざまな業種で実例があります。

>>取材協力『FSCジャパン』

有機JASマーク

有機JASマーク

有機JASマークは、自然界の力で生産された食品であることを表します。農薬や化学肥料などの化学物質に頼らない方法で生産されたものが基本です。食品に「有機」「オーガニック」などの名称表示ができるのは、有機JASマークの付いたものだと法律で定められています。

品物に有機JASマーク表示をするためには、まず農林水産大臣が登録した登録認定機関から「認定事業者」として認定を受ける必要があります。

有機JASマークが表示される商品には、野菜や果実、米といった農産物のほか、加工食品、飼料、畜産物、藻類などがあります。認定事業者には個々の農家のほか、生産工程管理者や輸入業者、小分け業者にいたるまで、多数の企業が名を連ねています。

国際フェアトレード認証ラベル

国際フェアトレード認証ラベル

フェアトレードは、途上国の生産者や労働者の生活改善と自立を目的とした「公平な貿易」のしくみです。開発途上国から原料や製品を不当に安く買うのではなく、適正な価格で継続的に買い取る取引のことを指します。

国際フェアトレード認証ラベルは、製品の原料が生産され、輸出入、加工、製造されるまでの間に、国際フェアトレードラベル機構が定めた基準が守られていることを示しています。

対象商品としてはコーヒーやチョコレートが広く知られていますが、紅茶、バナナ、ワイン、スパイス、ごま、はちみつ、バラ、化粧品類、スポーツボールなど、実はさまざまな製品があります。

>>関連記事:【ビジネス向け解説】フェアトレードとは?意味や企業の取り組み事例を紹介

>>取材協力『認定NPO法人フェアトレード・ラベル・ジャパン』

MSC認証/ASC認証

MSC認証/ASC認証

MSC認証は、水産資源や環境に配慮し適切に管理された、持続可能な漁業に対する認証です。国際的な非営利団体のMSC(Marine Stewardship Council:海洋管理協議会)が、管理・推進しています。

ASC認証

ASC認証は、環境に大きな負担をかけず、労働者と地域社会にも配慮した養殖業に対する認証です。ASC(Aquaculture Stewardship Council:水産養殖管理協議会)が管理・推進しています。

認証には、持続可能な漁業に対する「MSC漁業認証」と、環境や社会に配慮した養殖場に対する 「ASC養殖場認証」のほかに、MSCとASCで共通となる、流通から製造・加工、販売までのサプライチェーンに対する「CoC認証」があります。

「MSC漁業認証」を取得している漁業または「ASC養殖場認証」を取得している養殖場で生産された水産物を、「CoC認証」を取得した企業が非認証水産物を混在させることなく適切に管理することで、製品にMSC「海のエコラベル」またはASCラベルを表示することができます。

MSC「海のエコラベル」が付いた商品例としては、MSC CoC認証を取得しているファストフード店のフィッシュバーガーや、大手スーパーで販売される魚介類の商品などが挙げられます。冷凍食品の関連会社では、ASCラベル付き製品の取り扱いが増えてきています。

>>取材協力『一般社団法人 MSCジャパン』

>>取材協力『ASC水産養殖管理協議会』

RSPO認証

RSPO認証

RSPO認証の正式名称は「持続可能なパーム油のための円卓会議(Roundtable on Sustainable Palm Oil)」。2004年4月に発足した、比較的新しい国際的な認証制度です。RSPOが考える持続可能なパーム油の生産には、経済的に存続可能で、環境的に適切、かつ社会的に有益であることが求められます。

RSPO認証マークを製品に付けるためには、まずRSPOに加盟し、さらにRSPOのサプライチェーン認証を取得するなどの手順を踏むことになります。日本は先進国の中ではやや遅れているものの、2019年からRSPO認証を得る取り組みが開始。加盟企業はトイレタリー企業を中心に流通小売企業、食品業界へと広がりを見せています。

主な商品例としては、洗剤や石けん、シャンプーなどがあります。

>>取材協力『RSPO』

レインフォレスト ・アライアンス認証

レインフォレスト ・アライアンス認証

レインフォレスト・アライアンスは、1987年に設立された国際的な非営利団体。森林を保護し、農民や森林コミュニティの生活を改善し、人権促進、気候危機の緩和、適応の助けとなることを目指しています。同団体が、環境保全や農園労働者の生活向上などの厳しい基準を満たした農園に与えるのが、レインフォレスト・アライアンス認証です。

商品例としては、フィリピンなどでレインフォレスト・アライアンス認証を取得した農園で栽培されたバナナや、コンビニ大手「ローソン」のカフェサービス「マチカフェ」のコーヒーや、「リプトン」のティーバッグ製品などがあります。

エコマーク

エコマーク

エコマークは、商品の一生(ライフサイクル全体)を考慮して環境保全に役立つ商品を認定する制度です。1989年から公益財団法人日本環境協会が実施しています。

エコマークは、対象が多岐に渡るのが特徴のひとつです。基準は商品の種類ごとに設定されており、第三者機関である日本環境協会による審査を経て、認証されます。

エコマークの製品例は、ノートやボールペンなどの文房具、トイレットペーパーなどの日用品をはじめ、テレビやパソコンなどの家電、バッグや作業服などのファッション・小物、食品容器などのさまざまな分野で見られます。

なかには、ホテル・旅館にエコマークが認定されるケースも。この場合は、施設の省エネ・節水などの環境対策に加え、宿泊を通して利用者に環境配慮への気づきを与える環境コミュニケーションなどが評価されているようです。

>>取材協力『公益財団法人日本環境協会エコマーク事務局』

4.環境ラベルを効果的に活用できるおすすめグッズ

4.環境ラベルを効果的に活用できるおすすめグッズ

さまざまな環境ラベルがあるなか、どの認証制度を活用するのがよいのか迷うかもしれません。自社と親和性のある環境ラベルを取り入れる手段としておすすめなのが、認証を取得したエコ素材を使ったノベルティ・グッズを制作すること。

例えば、国際フェアトレード認証コットンを使ったエコバッグやタオル、FSC認証紙を使った名刺、紙袋などを制作するのはいかがでしょうか。販売品ではなく販促品や自社資材から始めることで、生産数の調整がしやすく、環境ラベル活用のスタートを切りやすくなります

ラベルの付いたノベルティ・グッズを通して、SDGsを意識する消費者や企業に対し、環境に配慮した企業活動を効果的にアピールすることができます。ノベルティ・グッズを手にした人の反応を見ながら、ゆくゆくは製品に環境ラベルを活用するかどうかなどの検討材料とすることもできるでしょう。

5.企業として脱炭素経営に向けた目標設定で、国際的な認定の取得も

5.企業として脱炭素経営に向けた目標設定で、国際的な認定の取得も

ここまで、品物やサービスに付く環境ラベルを紹介してきました。これとは別に、環境にやさしい取り組みを行う企業に対して付けられる認定制度があります。

そのなかでも脱炭素経営に向けた取り組みを行う企業に対して行われる「SBT」や「RE100」などの認定制度について解説します。

SBTとは?

SBTとは、「Science Based Targets」の略称。2015年に合意された「パリ協定」が求める水準と整合したものとして、企業が設定する温室効果ガス排出削減目標のことです。パリ協定では、世界の気温上昇を産業革命前より2℃を十分に下回る水準に抑え、1.5℃に抑えることが目標となっています。

SBTに参加するには、温室効果ガス排出削減目標の設定と報告が必要。参加企業は年々増加していて、2022年2月時点で世界1,154社。うち⽇本企業は154社に上ります。

SBTに取り組むメリットは「パリ協定に整合する持続可能な企業である」とステークホルダーに対してアピールできる点にあります。例えば、中⻑期的なリターンを求める年⾦基⾦などの機関投資家に、企業の持続可能性を訴求できます。また、SBT設定をすることはリスク意識の高い顧客の声に答えることになるので、事業におけるリスク低減につながるのです。

>>外部リンク「SBTに取り組むための手引き(環境省)」

RE100とは?

RE100は「Renewable Energy 100%」の略称。事業を100%再エネ(再生可能エネルギー)で調達することを目標とする取り組みのことです。企業連合として2014年に結成されて以来、RE100参加企業は世界350社に。うち⽇本企業は65社で、建設業、電気機器、⼩売業などが多くなっています。

対象となるのは「影響⼒のある企業で、認知度・信頼度が高い、あるいは多国籍企業である、電⼒消費量が⼤きい、というポイントのいずれかに当てはまる企業とされています。さらにRE100認定要件として、期限を切った再エネ100%化⽬標の設定と公表、進捗状況の報告などが求められます。

RE100に取り組むと、リスク回避とコスト削減、ESG投資の呼び込みなどのメリットがあります。リスク回避とは「化⽯燃料による発電=リスク」という認識が世界的に⾼まっているなか、それを回避することを意味します。また、企業が再エネ調達を必要とすることで、再エネの市場規模が拡⼤することによりコスト削減が見込めます。さらに、再エネを導入することで対外的に評価され、ESG投資の呼び込みにもつながると考えられているのです。

>>外部リンク「RE100参加要件の詳細(環境省)」

エコ・ファースト制度とは?

エコ・ファースト制度とは?

エコ・ファースト制度は、環境大臣が認定する制度です。地球温暖化対策、リサイクル対策など環境保全活動に関する取り組みを環境大臣に約束し、環境分野において「業界における環境トップランナー企業」であると認定されることになります。

認定条件として重視されるのは、業界をリードするに足り得る高い目標である「先進性」、オリジナルな目標である「独自性」、業界にインパクトを与えて取り組みの向上を促すような「波及効果」の3つ。事業規模の大小は問われず、中小企業も対象になります。2022年2月現在、認定企業は56社です。

認定を受けた企業は、エコ・ファースト・マークを名刺や会社概要などの広報に使用できます。「環境にやさしい事業活動を行っている」と環境大臣が認定することにより、PR効果を得られるのが大きなメリットでしょう。

>>外部リンク「エコ・ファースト制度とは(環境省)」

6.エコ認証制度を積極的に活用し、地球環境にやさしい事業活動を

SDGsに貢献する取り組みが企業・消費者ともに加速する今。エコな品物やサービスに付く環境ラベルと、環境にやさしい企業活動を行う事業者に与えられる「SBT」や「RE100」などの認定。こうした制度はますます重要となっています。

しかし、どの認証・認定制度を活用するのがよいのかは、判断が難しいところではないでしょうか。そこでまずは、自社になじみやすい環境ラベルの付いたノベルティ・グッズづくりから始めてみるのがよいかもしれません。アイグッズでは、エコ素材を使ったノベルティ・グッズ制作やサポートを行っています。

認証・認定制度を活用することは、自社にメリットがあるのみならず、業界や消費者などへエコ活動を促す波及効果を生むことも期待できます。地球にやさしい事業活動を行う際にはぜひ積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか。

SUSPRO編集部

【広報・プロモーションチーム】 N.M

SDGsに知見が深い広報担当者。グッズ制作にまつわるSDGsの取り組みやエコに関する世の中の動向をさまざまな媒体で発信中。サステナブルな取り組みを行う企業に取材するなど「生の声」を届けることを大切にしています。

【広報・プロモーションチーム】 N.M
コメント一覧1
  • SDGsを示すにはSDGsのマークを入れることに目が行きがちですが、色々な分野・素材で色々なマークがありますね。私たちもSUS PRO様のような良い記事の作成に少しずつ取り組んでまいります。刺激になりました。

    2022.03.31

    コロタツ編集部 様

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