ホテルのアメニティバイキング成功術7つを紹介!プラスアルファの工夫で宿泊満足度を高める

2025/03/10

ホテルのアメニティバイキング成功術7つを紹介!プラスアルファの工夫で宿泊満足度を高める

アメニティの提供方法一つで、施設に対するお客さまの満足度や、サステナブルな取り組みへの貢献度が大きく変わります。現在の提供方法を変えたいと考えているなら「アメニティバイキング」の設置を検討してみませんか。

今回は、アメニティバイキングについて徹底解説!おすすめの理由や成功のコツ、実際の導入事例も紹介します。

1.アメニティバイキングとは

アメニティバイキングとは

はじめに、アメニティバイキングとは何かを確認していきましょう。

アメニティバイキングの意味

「アメニティバイキング」とは、アメニティグッズを利用自身がチョイスする、いわゆるセルフサービスシステムのことです。別名「アメニティバー」「アメニティビュッフェ」などとも呼ばれます。あらかじめ用意された複数の料理から、各自が好きなものを選んで取り分ける食事スタイルにあやかり、その名称が付けられました。

アメニティバイキングの利用料は、従来の配布形式と同じく、基本的に無料です。施設の方針にもよりますが、選んだアメニティは自由に持ち帰れます。

アメニティバイキングに並べるグッズ例

アメニティバイキングに並べるグッズ例

アメニティバイキングに設置されるグッズは、施設にもよって異なるものの、数十種類以上は揃えているケースが一般的です。上記画像にあるアメニティグッズ例のほかにも以下のような製品も置くと良いでしょう。

あると顧客満足度が「さらに」上がる!ワンランク上のアメニティ

  • ハンドソープ・石鹸
  • マウスウォッシュ
  • シェービングクリーム
  • 除菌シート・消毒液
  • メガネ・液晶クリーナー
  • 衣類クリーナー

一般的に、アメニティは1包ごとの小袋になっているものが多い傾向です。しかし、シャンプー・リンスやボディソープなどボトルに入っているアメニティの場合、貸し出し式にしている施設もあります。

またお客様にアメニティバイキングをスムーズに受け入れてもらうためには、ただ設置すればよいのではなく、満足度をより高める工夫も欠かせません。例えば、同じアメニティでも香り・質感が異なる数種類のグッズを用意したり、施設のオリジナルグッズや季節限定アイテムを導入したりするなど、選択の幅が広げれば、幅広いニーズに対応できるはずです。

アメニティバイキングの什器

通常、アメニティバイキングの各種グッズは、何らかの什器に設置して利用客が自由に選び取れるシステムになっています。そこで、アメニティバイキングによく使用される什器の種類とそれぞれの特徴を、下記の表にまとめました。

什器の種類特徴
仕切り付きケース
仕切り付きケース
・アメニティがコンパクトに収納できる
・低コスト
・アメニティの取り替えが容易
バスケット・トレイ
バスケット・トレイ
・材質によって雰囲気が変えられる
・設置のレイアウトの幅が広い
・運搬/清掃しやすい
ラック
ラック
・大量のアメニティをひとまとめに陳列できる
・見た目がスマート

施設の雰囲気ターゲット層にとっての使いやすさ予算などを考慮して、最適な設置方法を選びましょう。

2.アメニティバイキングの設置が向いている業種・業態

アメニティバイキングの設置が向いている業種・業態

アメニティバイキングがよく導入される業種は、主にホテル・旅館などの宿泊施設です。そのうち、アメニティバイキングと最も相性が良いのはビジネスホテルカプセルホテル。ビジネス利用や素泊まりなどコンパクトな宿泊サービスを提供する業態では、アメニティの合理的な配布方法が受け入れられやすいようです。

また、漫画喫茶・インターネットカフェやスポーツクラブ・ジムといった、入浴サービスを提供する施設にもよく設置されます。さらに近年は、オフィス・コワーキングスペースや、病院・福祉施設駅・空港などでもサービスの差別化の一環として導入され始めました。

一方で、高価格帯のリゾートホテルや老舗の観光・温泉旅館などでは、アメニティバイキングが必ずしも最適とは限りません。これらの施設では、宿泊そのものを目的とする利用客が多く、アメニティの提供方法は、より丁寧なホスピタリティが求められる傾向にあるからです。

とはいえ、提供するグッズの設計や設置方法にこだわれば、アメニティバイキングによる高級感の演出および利便性の両立も可能です。アイデア次第で、幅広い業態にマッチするアメニティの提供方法だといえるでしょう。

3.アメニティバイキングが生まれた背景

アメニティバイキングが生まれた背景

アメニティバイキングが提供され始めたのは、2022年4月に施行された「プラスチック資源循環法」がきっかけです。なおプラスチック資源循環法とは、プラスチックごみの排出量を2030年までに累計25%抑制することを目的とした制度。世界中で深刻化するプラスチックごみ問題の解決策として、製品製造から廃棄までの資源循環を促すために制定されました。

ホテル・旅館などの宿泊業も同法の対象に含まれ、主にアメニティや客室備品がターゲットです。特に、前年のプラスチック製アメニティ・備品の提供量が5トンを超える事業者は「特定プラスチック使用製品多量提供事業者」と認定されます。その場合、もし取り組みが著しく不十分だと判断されると、罰則の対象になる恐れがあるため注意が必要です。

ホテル・旅館が利用客にアメニティグッズを配布する際、従来は各客室に設置されているケースが大半でした。しかし上記の規制を踏まえ、今後はプラスチック製アメニティの提供方法もしくは商品設計のいずれかを工夫しなければなりません。

そこで考案されたアイデアこそ、同法に規定される「アメニティ提供時における消費者の意思確認・声かけ」に該当するアメニティバイキング。法令に対応できるだけではなく、さまざまなメリットがあるとして、近年アメニティバイキングを導入するホテル・旅館が徐々に増えてきています。

プラスチック資源循環法についてより詳しく知りたい方は、こちらの記事をご参照ください。

関連記事>> 2022年4月施行の新法案「プラスチック資源循環法」とは?対象製品や企業の対策を徹底解説!

4.アメニティバイキングを導入するホテル・旅館が増えている3つの理由

アメニティバイキングを導入するホテル・旅館が増えている3つの理由

近年、ホテル・旅館業界でアメニティバイキングが採用されるケースが増えているのは、次の3つのメリットが主な理由です。

アメニティバイキングを採用する3つのメリット

  • 導入しやすい
  • ホテルステイの質が向上する
  • 管理の負担が軽減する

導入しやすい

アメニティバイキングは、ほかの提供方式と比べると、導入に手間もコストもかかりません。アメニティバイキングと、それ以外の次のような提供方式を比べてみましょう。

アメニティバイキング以外の提供方式

  • 客室設置
  • チェックイン時の配布
  • オーダー式
  • アメニティセットの販売

アメニティを従来通り客室に設置したままでは、プラスチック資源循環法の規定に適合しません。チェックイン時の配布およびオーダー式は法的ルールには適うものの、従業員の負担が大きいうえ、フロントの混雑を招く恐れがあります。

対してアメニティセットの販売では、魅力のある商品設計・プロモーションおよび利用客への通知が不可欠です。販売用アメニティの展開を考えている場合は、グッズ制作の知識・ノウハウや経験が豊富な製作会社に相談するとよいでしょう。

アメニティバイキングは法令にスムーズに適合できる点が最大のメリットだといえます。テイクフリーでお得感があるので利用客にも受け入れられやすく、人的・物的コストも最小限です。

ホテルステイの質が向上する

自分の意思で自由にアメニティが選べるシステムにすることで、UX(ユーザーエクスペリエンス)が充実します。UXとは、商品・サービスの利用によって得られる消費者の体験のことです。もともとはIT用語ですが、近年はホテル業界でも重視される概念となりました。

多彩なラインナップから、自分に必要なアメニティを必要な分だけ自由に選べるサービスは、新たなエンターテイメントになります。ひいては、ホテルステイの質と顧客満足度が向上することにもつながるでしょう。

管理の負担が軽減する

アメニティの配布方法を利用客による自由選択制にすれば、これまで設置にかかっていたリソースが軽減します。またアメニティの設置を特定のポイントに集中させることで、チェックや補充の手間も省けるでしょう。業務効率がアップするうえ、スタッフの負担軽減にもつながるため、一石二鳥です。

5.アメニティバイキングを成功させる7つのポイント

アメニティバイキングを成功させる7つのポイント

施設にアメニティバイキングを採用する際、次の7つのポイントを満たすようにすることで、利用客の満足度が最大限に高められます。

業態に応じたラインナップ

同じ業種でも、業態が違えばアメニティに対するニーズも異なります。例えばビジネスホテルなら、基本のバスグッズにくわえ、ビジネスパーソンに欠かせない衣類クリーナーや髭剃りなどの衛生グッズが必須です。対して、リゾートホテルや旅館のようにステイや体験を重視する施設では、高品質なコスメやアロマ、肌触りのいいケアグッズが喜ばれる傾向にあります。

自社の業種・業態に応じてアメニティのラインナップをセレクトすることで、サービスの質が大きく向上するはずです。

選択・管理しやすいスマートな陳列方法

アメニティバイキングは、陳列の仕方によってイメージや使いやすさが大きく変わります。おすすめの陳列方法は、ジャンルごとにまとめること。利用客が目的のアメニティを探しやすく、在庫のチェックも容易です。管理の効率を上げたいなら、アメニティの陳列時期や使用期限によって分類するのもよいでしょう。

導線のよい設置スペースの確保

アメニティバイキングのスペースは、利用の導線を踏まえて設置することが大切です。なおアメニティバイキングの設置に適したスペースとしては、以下の場所が挙げられます。

アメニティバイキングの設置場所

  • ロビー・フロント
  • 各フロアの共用スペース
  • 浴場・温泉
  • 食堂・レストラン
  • ラウンジ

またアメニティバイキングが館内の一箇所だけだと、取りそびれや置き忘れの際、利用客に負担を強いることになりかかねません。利用客のスムーズな動線を考えてアメニティバイキングを設置すれば、最大限に活用してもらいやすくなります。

チェックイン時の十分な声かけ

アメニティバイキングを活用してもらうためには、事前のアナウンスが肝心です。比較的新しく考案されたサービスなので、馴染みがない利用客も多く、存在に気付かないこともあり得ます。後から取りに行ったり、問い合わせたりするのは顧客・施設側ともに大きな負担です。チェックイン時に十分な声かけを行うなどの対策を行うことで、スムーズに利用してもらえるようになるでしょう。

在庫管理の徹底

アメニティバイキングは、設置するグッズの在庫管理を徹底しましょう。必要なときにきちんと補充されていないと、利用客の満足度が大きく低下します。

また不特定多数の利用客が同一の設置ポイントを利用するため、特定の利用客による大量持ち出しや、在庫不足などのトラブルも発生する恐れが否めません。こまめなチェックと補充を行い、常に適正在庫に保つよう心がけてください。

利用客のニーズに合わせた対応

アメニティバイキングを設置する場合は、それ以外の提供方法も用意しておくことをおすすめします。例えば家族連れや団体客など利用客が大人数の場合、アメニティを各自で選ぶのは大変です。また、ホテルスタッフの目が気になり、自由に選びづらいと感じるユーザーもいます。

アメニティバイキングの利用が難しい顧客に対しては、ルームサービスを通じて対応するなど、ニーズに応じたサービスを提供すると喜ばれるでしょう。

アメニティ質の向上

前述のとおり、ビジネスホテルのような最小限のサービスが求められる業態以外では、アメニティバイキングが好まれない場合もあります。

そこでおすすめしたいのが、アメニティバイキングに設置するグッズ自体の質の向上です。イチオシは、サステナブルな素材を使ったエコアメニティの導入。プラスチックごみの排出量をさらに減らせるだけではなく、めずらしい素材のアメニティグッズは利用客の興味を惹きつけ、選ぶ楽しみが増えます。

また持ち帰ってくり返し使ってもらえるアメニティに置き換えることで、消費者の環境意識を喚起するきっかけにもなるはずです。

6.【番外編】ホテルアメニティのイメージを素材別に紹介!

ここまで説明してきたとおり、現在は脱プラスチック化によるアメニティバイキングの活用が進んでいます。アメニティバイキングで重要なのは、グッズのラインアップとイメージの統一感。そこで以下では、多彩なエコアメニティを展開する「SUSPRO(サスプロ)」が、原料となる素材によって雰囲気がどのように変わるのかをご紹介します。

竹・バンブーファイバー:洗練されたハイエンドな印象に

竹・バンブーファイバー:洗練されたハイエンドな印象に

竹やバンブーファイバーを使用したアメニティは、いずれも置いているだけで抜群の存在感のあるデザイン。ハイエンドで落ち着いた雰囲気を演出したいホテル・旅館にマッチします。

竹素材アメニティはより自然派なイメージでありながら、高級感も感じさせる佇まい。一方バンブーファイバーを使用したアメニティは、あらゆる場所に馴染みやすいシンプルなくすみカラーになるのが特徴であり、全体的にシックな印象です。

竹やバンブーファイバーのアメニティを一つ取り入れるだけで、雰囲気に味わいがぐっと増し、洗練された空間に仕上がります。

とうもろこし素材:シンプルでビジネスライクな印象に

とうもろこし素材:シンプルでビジネスライクな印象に

とうもろこしから作られる「コーンスターチ」を配合したアメニティです。シンプルなクリーム色でビジネスライクな雰囲気が強い印象ではあるものの、とうもろこし由来のアメニティは業界でも珍しく人目を引きます。

また、とうもろこし素材は耐久性に優れていることも特徴。その強度は、プラスチックと比較しても遜色ないため、既存のアメニティと同じ感覚で代替できます。

とうもろこし素材アメニティがマッチしやすいのは、ビジネスホテル簡易宿泊施設。「脱プラでエコを訴求しつつ使用感にもこだわりたい」「デザイン性より機能性を重視したい」というニーズに応えます。

木材:ナチュラルで温かみのある印象に

木材:ナチュラルで温かみのある印象に

木材を使用したアメニティの特徴は、何といっても自然ならではの温かみが感じられることだといえます。原料に間伐材を使用しているため、環境配慮もバッチリ。ほど良い重みと滑らかな質感で、手にしっくり馴染みやすいアイテムです。

木製アメニティと好相性なのは、ナチュラルをコンセプトにしたホテル老舗の旅館。一式揃えるとおしゃれな統一感が生まれるため、ホテルのイメージアップに貢献するでしょう。

7.アメニティバイキングの企画・グッズ設計のご相談は「SUSPRO」へ!

アメニティバイキングは、プラスチック製品の合理的な提供を実現する手段の一つ。さらにエコ素材のアメニティを設置することで、サステナビリティおよび利用客の満足度の向上が同時に叶えられるでしょう。

アメニティバイキング導入では、アメニティの設計と設置方法にこだわるほか、在庫管理や柔軟な顧客対応も成功のポイントです。企画やアメニティ選定などに悩んだときは、ぜひ「SUSPRO」におまかせください。特に、SUS amenityではエコなアメニティを展開中。エコグッズおよびアメニティバイキングに関する豊富な実績を基に、施設に応じた最善のアイデアを提案できます。ご注文やご質問はお問い合わせフォームから、ぜひお気軽にご連絡ください。

SUSPRO編集部

【サステナブルグッズ制作チーム】 T.M

エコ素材アメニティや客室備品の企画・販売担当。実際にいただくホテルマーケティング担当者様の声を基に、サステナブルなアメニティや客室備品を開発。最新のエコ素材を取り入れたものづくりやホテルブランディングに日々取り組んでいます。

【サステナブルグッズ制作チーム】 T.M

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