ホテルアメニティの持ち帰りニーズに応える!脱プラと合理化を両立する環境配慮型素材への転換術
2024/12/02 (更新日:2025/11/04)

現代の脱プラスチックの大きな波は、ホテル業界にも避けられない転換期をもたらしています。その主な要因は、特定プラスチック製アメニティの使用の合理化を求める「プラスチック資源循環法」の施行です。この法改正をきっかけに、各ホテル様はアメニティの「廃止」「再利用化」「環境配慮素材への切り替え」など、対応に追われているのではないでしょうか。
環境配慮型素材への切り替えやアメニティの合理化には、初期コストや体制整備が必要となります。しかし、捉え方によっては、「お客様に喜ばれるアメニティ」と「環境への配慮」、そして「事業貢献」を両立させる新たなビジネスチャンスと捉えることができます。
本コラムでは、ホテルアメニティの脱プラ・合理化の背景と対象を整理しつつ、具体的な解決策をSUSPROの視点からご紹介します。アメニティの方向性にお悩みのホテル経営者様・担当者様は、ぜひ参考にしてください。
1.ホテルアメニティの脱プラが求められる背景と「プラスチック資源循環法」

ホテルアメニティの脱プラ・合理化の動きは、2022年4月に施行された「プラスチック資源循環法」(正式名称:プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律)をきっかけに加速しました。
プラスチック資源循環法とは?
この法律は、プラスチック製品の「合理的な使用」と、廃棄物の「自主回収および資源化」を促進するための枠組みを定めています。目指すのは、2019年5月に策定された「プラスチック資源循環戦略」に基づく、「3R(リデュース・リユース・リサイクル)+Renewable」の実現です。
特定プラスチック製品の廃止や有料化自体は「法的な義務」ではありません。しかし、取り組みが不十分と判断された場合、排出量や条件によっては勧告・公表・命令・罰則の対象となり得るため、ホテルを含む事業者には「合理化」への積極的な行動が強く求められています。
適用はいつから?
法律の施行は2022年4月からです。これ以降、宿泊業を含むサービス事業者は、プラスチックごみの削減に向けた目標設定と取り組みの実施が求められています。プラスチック資源循環法についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。
関連記事>>2022年4月施行の新法案「プラスチック資源循環法」とは?対象製品や企業の対策を徹底解説!
2.ホテルにおける合理化の対象となる業種とアメニティ

次に、プラスチック資源循環法における特定プラスチック製品の合理化の対象業種および製品をみていきましょう。
合理化の対象業種
プラスチック資源循環法における使用合理化の対象となるのは、主に小売・サービス事業者です。具体的には、以下の業種が該当します。
- 各種商品小売業
- 飲食料品小売業(野菜・果実小売業、食肉小売業、鮮魚小売業及び酒小売業を除く)
- 宿泊業
- 飲食店
- 持ち帰り・配達飲食サービス業
- 洗濯業
なお、小売業は店舗の有無を問わず合理化の対象です。そしてホテル業は上記の宿泊業に属するため、合理化を進めなければなりません。
また、前年度の特定プラスチック製品の提供量が5トン以上の場合は「特定プラスチック使用製品多量提供事業者」となり、目標設定、情報の提供、実施状況の把握など、以下のような取り組みが求められます。取り組みが著しく不十分な場合は、勧告・公表・命令の措置がなされ、違反したときには50万円以下の罰金が課される恐れがあるため、注意が必要です。
- 目標の設定
- 情報の提供
- 体制の整備等
- 安全性等の配慮
- 実施状況の把握
- 関係者との連携
- 加盟者における特定プラスチック使用製品の使用の合理化
合理化の対象製品
使用合理化の対象となる特定プラスチック製品は、全部で12品目です。複数の素材が使用されているときは、製品全体を占めるプラスチックの割合が重量比で最も大きい場合に対象となります。
ただし、対象すべてに一律の規制が設けられるのではなく、業種によって該当製品はさまざまです。例えば、ホテルにおける特定プラスチックの対象製品は以下のとおりとなります。
- フォーク
- スプーン
- テーブルナイフ
- マドラー
- 飲料用ストロー
- ヘアブラシ
- くし
- カミソリ
- シャワーキャップ
- 歯ブラシ
つまり、ホテルアメニティの大半が合理化の対象です。在庫をすべて処分する必要はありませんが、これからのホテルビジネスには、プラスチックをいかに合理化できるか、そして脱プラを実現できるかが大きな課題となるでしょう。
3.ホテルができるアメニティの脱プラ対策

アメニティは古くからホテルサービスの一環として根付いてきました。突然の配布停止は、顧客満足度の低下やクレームにつながるリスクがあります。そこで、配布を取りやめるのではなく、お客様の満足度を維持・向上させながら脱プラを実現する具体的なアイデアをご紹介します。
顧客による選択制・有料化で「もったいない」を解消する
最もシンプルな脱プラ方法は、顧客側にアメニティの要否を選択してもらうことです。注文式のほか以下のような方法が存在します。
アメニティバイキング
必要な人だけが、必要な分だけ利用できるように、アメニティを設置する方法です。プラスチック製品使用の合理化が図れます。アメニティバイキングについて詳しく知りたい方は、以下をご覧ください。

Web予約時の選択
Web予約が主流になりつつあることを踏まえ、申し込みフォームにアメニティの要否に関する入力欄を設置することも有効です。ペーパーレス化にも貢献します。
アメニティの有料化
無料配布をやめ、アメニティを有料化・商品化します。オリジナルのアメニティ一式をセット販売し、新たな商材とするのもよいでしょう。アメニティを有料化・商品化しているホテルはまだ少ないので、メディア受けや消費者内の話題の広がりが期待できます。
ただし、選択制や有料化には、お客様にエシカルな行動を促すためのプレミアム(粗品やポイント)や、有料でも手に取ってもらえる上質な商品性が求められます。単にアメニティの提供方法を変更するだけでは、満足度が低下する恐れがあるため注意が必要です。
「ホテル アメニティ 持ち帰り」を促す上質な素材へ
お客様の満足度を維持・向上させながら脱プラを実現する有効な選択肢に、環境配慮型の素材への切り替えがあります。天然素材やサステナブルな新素材を利用したアメニティは、環境にやさしいだけではなく、独特のナチュラルな風合いやデザインから、お客様が「家に持って帰って使い続けたい」と感じ、持ち帰りを促すことができます。さらに、エシカルを全面に打ち出した新たなホテルブランド戦略の基盤となり、ホテル滞在の思い出として長く手元に残ることで、ブランドイメージを長期にわたって訴求できます。
エコアメニティへの切り替えは、初期コストがかかるものの、お客様に選ばれ、環境にも貢献する文化を根付かせることができれば、ブランド価値向上に大きく貢献できる方法です。
なお、SUSPROでは、様々なエコ素材からできたアメニティシリーズを展開中です。貴ホテルの客室にあったアメニティの選び方を知りたい方は、以下をご覧ください。
話題性を高めるアメニティアップサイクル
環境配慮型素材への切り替えに加え、使用後のアメニティを資源として活用する「資源循環の仕組み」を取り入れることで、脱プラ効果を最大化できます。「SUSPRO(サスプロ)」では、単なる素材切り替えに留まらず、使用済みの廃棄物を資源として再活用する独自のサービスを提供しています。
【SUSPRO】アメニティアップサイクルサービス
サステナブル素材のアメニティ制作から、使用後の廃棄物の回収・再資源化・製品化までを一貫サポートします。「ごみは捨てるもの」という従来の概念を覆し、資源の循環(サーキュラーエコノミー)を実現する新たな選択肢を提供することで、話題性アップと環境貢献を両立します。

4.脱プラで新たな差別化戦略を!SUSPROが実現するサステナブルなホテルアメニティ
脱プラスチックとは、単にプラスチック製品をなくすことだけではありません。真のメインテーマは「資源の循環」であり、サーキュラーエコノミーに基づくサステナブルなホテルアメニティへの転換こそが、今のホテル業界に求められています。
お客様の「持ち帰りたい」というニーズを満たし、脱プラと顧客満足度向上を両立させるカギは、上質な環境配慮型素材の導入です。
エコアメニティの企画・制作や廃棄物のリサイクルに関するご相談は「SUSPRO」へ!回収・再資源化・製品化の全サイクルをワンストップでサポートします。サステナブル素材を使った既製品のアメニティ・客室備品も豊富に取り揃えていますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
[出典]/「プラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律」の普及啓発ページ/特定プラスチック使用製品の使用の合理化/https://plastic-circulation.env.go.jp/about/pro/gorika?anc=gorika02/
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