ホテル経営が傾く兆候とは？7つの原因とすぐできる改善策

宿泊需要の回復とともに、ホテル間の競争は激化しています。莫大な初期投資や固定費、変化する顧客ニーズへの対応など、ホテル経営は常に多くの課題と隣り合わせです。「うまくいっていないかもしれない」と感じるその兆候を見逃さず、早期に対策を打つことが持続可能な経営の鍵となります。 本記事では、経営不振に陥りがちな7つの原因を分析し、具体的な改善策をご紹介します。

1.ホテル経営を取り巻く厳しい現実

インバウンド需要の回復や国内旅行の活発化の裏で、ホテル経営を取り巻く環境は厳しさを増しています。多くの施設が直面している主な課題は、以下の3点です。

2.経営不振の兆候かも？見直すべき7つの要因

こうした厳しい外部環境の中で、経営不振に陥る施設には、共通する要因が見られます。そこで、多くのホテルが陥りがちな経営不振の要因を7つに分類しました。自社の状況と照らし合わせ、潜在的なリスクがないか確認してみてください。

価格（財務・コスト）に関する要因

まず、経営の根幹である「お金」に関する3つの要因です。

（1）甘い資金計画

「需要は回復するはず」「競合の影響は軽微だろう」といった楽観的な売上予測は危険です。予期せぬ修繕費や外的要因による売上急減に対応できる運転資金が不足していると、借入金の返済計画が破綻し、資金ショートに陥るリスクが高まります。

（2）安易な価格競争への依存 

集客のためにOTA（オンライントラベルエージェント）などで過度な割引合戦に陥ってしまうことも危険です。目先の稼働率を追うだけの値下げは、利益率の低下とブランドイメージの悪化を招き、結果、価格でしか選ばれなくなる悪循環に陥ります。

（3）杜撰なコスト管理

売上は立っていても利益が残らない場合、コスト管理に問題があるかもしれません。特に水道光熱費やアメニティなどの消耗品費は、日々の管理を怠ると「見えないコスト」として蓄積し、経営体力をじわじわと奪っていきます。

ブランディング（市場・戦略）に関する要因

次に、「ホテルとしてどう見られるか」「市場から選ばれるか」に関する要因です。

（4）曖昧なコンセプト

あらゆる客層を取り込もうとする戦略は、誰の心にも響かない「特徴のないホテル」を生み出します。「なぜ、他のホテルではなく、このホテルを選ぶべきなのか」という明確な理由を提示できなければ、無数の競合の中に埋もれてしまいます。

（5）市場・トレンドへの対応遅れ

顧客の価値観は常に変化しています。「モノ消費」から「コト消費」への移行、ワーケーションのような新しい働き方の普及、SDGsへの関心の定着など、新たなトレンドへの対応が遅れると、時代遅れのホテルとして顧客から選ばれなくなります。

業務効率（運営・体制）に関する要因

最後は、日々のホテル運営や、それを支える内部体制に関する要因です。

（6）顧客満足度（CS）の低下 

施設の老朽化、清掃不備、スタッフの対応などは、すぐに口コミで拡散されます。悪評の拡散防止も重要ですが、根本原因である施設の維持管理やサービス品質の改善を怠れば、リピーターの喪失と新規顧客の減少に直結します。

（7）人材育成の軽視と離職

ホテルビジネスの根幹は「人」です。しかし、不十分な研修制度や労働環境の悪化は、スタッフの離職を招き、サービスの質を著しく低下させます。結果、残ったスタッフの負担が増え、さらなる離職を呼ぶ負のスパイラルに陥ります。

3.経営不振から脱却へ。今すぐ着手できる4つの改善策

もし、貴館がこれらの要因のいずれかに当てはまると感じても、悲観する必要はありません。課題を正しく認識し、適切な対策を講じることで、経営を再建することは十分に可能です。

全ての土台となる「財務状況の健全化」 

まずは、自社の財務状況を徹底的に可視化することから始めます。PL（損益計算書）やBS（貸借対照表）だけでなく、日々のキャッシュフローを正確に把握しましょう。その上で、不要なコストの洗い出し、金融機関との返済計画の見直しなどを通じて、資金繰りの安定化を図ることが最優先課題です。

「安さ」ではなく「価値」で選ばれるためのリブランディング 

価格競争から脱却し、適正な価格で利益を確保するためには、自社の「価値」を再定義する必要があります。ターゲット顧客を明確にし、その顧客に響く独自のコンセプトを打ち立てましょう。例えば、地元の食材にこだわった唯一無二の食体験、地域文化と連携した体験プランの造成、高品質なアメニティによる快適な滞在など、「ここにしかない価値」の創造が求められます。

デジタル化による業務効率化と生産性向上 

予約管理システム（PMS）やサイトコントローラーを導入して予約業務を自動化したり、スマートロックでチェックイン・アウトを効率化したりと、テクノロジーを活用することで、業務効率は飛躍的に向上します。これにより、スタッフはより付加価値の高い、心のこもったおもてなしに集中できるようになり、人手不足の解消と生産性向上の両立が可能になります。

業務効率化について詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

リピート率と顧客単価を高める「顧客体験（CX）」の再設計 

新規顧客の獲得コストは、既存顧客を維持するコストの5倍かかると言われています。長続きする経営のためには、一度訪れた顧客に「また来たい」と思わせる、優れた顧客体験の提供が不可欠です。予約時から滞在中、そしてチェックアウト後に至るまで、あらゆる顧客接点を見直し、感動を生む仕掛けを散りばめましょう。 例えば、質の高い睡眠を提供する「スリープツーリズム」の需要に応え、快眠を促すアメニティやターンダウンサービス（就寝前の準備）を充実させることも有効です。こうしたおもてなしの質の向上が、リピート率向上に繋がります。

スリープツーリズム、ターンダウンについて詳しく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

4.【SUSPRO営業担当のおすすめ】ホテルのコンセプトが際立つアメニティ導入

前述のように、経営改善にはリブランディングや顧客体験の再設計が不可欠です。しかし、大規模な改修はコスト・時間の観点で容易ではありません。そこで、様々なホテル・旅館と関わるSUSPRO（サスプロ）がおすすめするのは、比較的導入しやすく、コンセプトを明確に演出できる「アメニティの見直し」です。

SUSPROでは、ホテルが目指す戦略に合わせて選べるよう、多彩な素材のアメニティシリーズをご用意しています。「エコ度で選ぶ」「パッケージで選ぶ」「導入イメージで選ぶ」など、使い方はさまざまです。貴ホテルの「目指すイメージ」にあうシリーズをご検討ください。

ここで、重要なのは「ホテルのコンセプトを体現できるか」と「コストの最適化」です。SUSPROは、アメニティの企画から製造・納品までをワンストップでサポートします。 だからこそ、ホテルのコンセプトを反映した高品質なアメニティを、中間コストをカットした適正な価格でご提供できます。

「アメニティからリブランディングの第一歩を始めたい」 「一覧表のどれが自ホテルに合うか相談したい」といった現在のお悩みや課題、これから目指したいホテル像をお聞かせください。SUSPROが貴館の状況に適するアメニティプランをご提案します。

5.持続可能なホテル経営のために、今できることから

ホテル経営の不振を招く要因の多くは、正しい知識と事前の対策によって回避できます。今回ご紹介した7つの要因は、裏を返せば、成功しているホテルが実践していることです。自社の現状を客観的に分析し、一つひとつ着実に対策を講じていきましょう。

特にアメニティのような細部へのこだわりが、顧客に感動を与える「価値」を創造します。「何から手をつければいいか分からない」「自ホテルの価値を高めたい」 そのようにお考えなら、ぜひSUS amenityにご相談ください。アメニティ戦略を通じ、貴ホテルの持続可能な経営をサポートします。