アメニティ

導入ホテル続々!天然素材のアメニティはどんな種類がある?事例を交えてご紹介

2024/04/22 (更新日:2024/05/01)

 「ホテルの決め手はアメニティにあり」ーーこのような言葉があるように、昨今、アメニティを駆使してブランド力・顧客満足度の向上を図るホテルが増えています。実際、ホテルを決める際に重要視する基準の第3位に無料アメニティがランクインするほど、ユーザーは“部屋の快適さ”を大切にする傾向にあります。(参照:世界最大級の総合旅行サイト・エクスペディアの日本語サイト、エクスペディア・ジャパン

 特に高級ホテル旅館・グランピング施設においては、ラグジュアリーな雰囲気や自然と一体化した非日常空間を演出するために、実際にお客様が手に取るアメニティにまでこだわれるかが鍵を握るでしょう。今回は天然素材を活用したアメニティの魅力や導入事例をピックアップ。導入後にどのような効果があったかも交えて紹介していきます。

1.天然素材アメニティの魅力

 素材ならではの風合いでおしゃれな客室を演出できる天然素材アメニティ。ここでは、その魅力を3点に分けてご紹介します。

見た目がおしゃれで、話題性がある

 天然素材の魅力といえば、やはりその素材ならではの特徴を活かした独特な風合い。竹・木・もみ殻など、天然素材はアースカラー・淡い色が多い傾向にあり、客室を柔らかい雰囲気にします。また、その素材が持つ独特な質感が現れる場合もあり、従来のプラスチックにはない新たな魅力です。さらに、日本の自然を彷彿とさせるアメニティは、外国人観光客からも話題を集めるでしょう。

プラスチック素材の削減

 天然素材2つ目の特徴は、環境に優しい点。たとえば、全国に4箇所展開するホテルでは、2019年度のプラスチック歯ブラシの使用量は約4tであったと公表しています。歯ブラシだけでもエコ素材に代替することで、年間プラスチック使用量をかなり削減できるのです。
 
 また、2022年4月に施行されたプラスチック資源循環促進法では、年間5t以上のプラスチックを提供している事業者に対して、ヘアブラシ、クシ、カミソリ、歯ブラシ、シャワーキャップなどの無料で配布するプラスチック製品を削減することを求めており、アメニティを有料化する、もしくは繰り返し使える代替素材への切替などを推進中。天然素材の積極的な採用は、環境に優しいホテルへと前進するために、すぐ着手できる取り組みの1つです。

宿泊者様へのプチギフトとして、満足度向上につながる

 思わず持ち帰りたくなるおしゃれなアメニティは、宿泊者様へのプチギフトと位置付けることで、満足度向上にもつながります。また、天然素材を原料とするアメニティは、プラスチックでできたものより、化学的な添加物や合成成分をあまり含みません。肌や髪に優しく、アレルギー反応が出にくい傾向にあります。さらに、古くから建築物などに使われている木・竹など、丈夫な素材も多く、持ち帰った後も長く使用しやすいです。

2.天然素材アメニティを導入しているホテル・グランピングを紹介

 では、天然素材アメニティはどのように導入・活用されているのでしょうか。ここでは3つのホテル・グランピングを例に取り、ご紹介します。

北海道虻田郡「雪ニセコ」様

 北海道の後志(しりべし)地方の中央に位置する「雪ニセコ」は、2022年に新たにオープンしたリゾートホテル。山々に囲まれており、スキー・スノボなどのアウトドアスポーツ、厳選された美食などを通じて、日本の四季を肌で感じられる施設です。洗練された和と現代的なラグジュアリーさが融合された、上質なひとときを提供しています。

 当旅館では、竹の歯ブラシ、カミソリ、ヘアコーム、そして綿棒&パフセットを導入。和を感じる竹素材と高級感ある形状・デザインが、雪ニセコの雰囲気と調和しており、お客様からも好評です。

URL:https://setsuniseko.com/ja

山梨県富士吉田市「BLANC FUJI」様

 山梨県富士吉田市にある「自然共生型ホテル BLANC FUJI」は、“自然共生型”をコンセプトに、客室・食事・宿泊者体験にこだわったホテルです。自然と一体化するサウナ体験や薪火香る旬の食材など、文字通り自然と共生する環境が整っています。

 当ホテルでは、竹素材の歯ブラシ・カミソリ・ヘアコーム・綿棒&パフセット、コットン素材のボディタオル、アメニティバッグセットの6点を導入。竹や木の素材を生かしたデザインが、景色や木を基調とした客室に溶け込み、インテリアの一部としても活用中です。

URL:https://blanc-fuji.com/

山口県美祢市「レドンド秋吉台」様

 山口県美祢市にある「ひかりのアート型グランピング施設 レドンド秋吉台」は、自然豊かな森の中で、自分自身と向き合う特別な時間を過ごせる場所です。緑あふれる森と満天の星に囲まれ、贅沢なひとときを楽しめます。

 当グランピング施設では、竹を使用した歯ブラシ・ヘアコームを導入。竹素材ならではの柔らかい雰囲気が、自然あふれる秋吉台の雰囲気にマッチしています。実際、ホテルのスタッフ様からは、通常のプラスチック製品では演出できない「非日常」を提供できているとの声も。

URL:https://www.redondo.jp/

  このように自然と関わるコンセプトの多いグランピング施設や上質さを大切している風情あるホテル・旅館では、自然や和の雰囲気を最大限に引き出すため、特に天然素材を使用したアメニティを導入する傾向にあります。

 他にも、今回はご紹介できなかったラグジュアリーホテルやホテルの特別ルームでも、シンプルかつ洗練されたデザインの天然素材アメニティを導入することで、客室の雰囲気を一新している例があります。

3.天然素材アメニティのラインナップ

 今回導入事例として紹介した天然素材は、竹やコットン、木が中心でしたが、実は現在多くの素材を活用したアメニティが存在します。ここでは、とうもろこしやもみ殻、コーヒー粉などさまざまなエコ素材アメニティとその特徴をまとめました。

竹素材アメニティ

 竹は二酸化炭素を吸収するうえに、栽培の際に人工肥料や薬品を必要とせず、発芽してからたったの3年で成木になります。成長期には一晩で1メートル以上も成長する生命力に溢れた植物です。成長スピードの早いものは定期的に間伐する必要があるので、その資源を有効活用することができます。また、伐採した切り株から新たに再生・成長するため植え替えの必要がなく土壌への負担もかからないことから、現在エコ素材として注目されている素材の一つです。

 カミソリ・歯ブラシ・ヘアコームなど、竹素材を使用したアメニティは種類豊富に展開されています。一式で揃えることで、柔らかい雰囲気を演出できます。

木製アメニティ

 木材は製造や加工に必要なエネルギーが少量で済む素材です。さらにプラスチック素材を木材に代替することで、二酸化炭素の排出抑制につながり、地球温暖化防止に貢献します。

 一方、木製アメニティは水に弱い性質を持っていることから、歯ブラシなど水回りの商品数が多くはありません。机や家にも使用される丈夫な素材のため、宿泊時以外にも繰り返し使えるヘアブラシなどが主な商品です。

コットン素材アメニティ

 天然素材のコットンは肌に負担をかけづらく、やさしい風合いが特徴です。従来のプラスチック製品と異なり生分解性の特徴も持っているので、地球にもやさしい素材として注目されています。

 コットン素材を使用したアメニティにはボディタオル・ボディスポンジ・巾着などがあります。生成りの薄いクリーム色が特徴で、他素材のアメニティとセットで使用するケースも多いです。

バイオマス素材アメニティ

 バイオマス素材は主にトウモロコシやサトウキビのでんぷん、トウゴマのひまし油を原料にした素材です。素材の一部が生分解性という土に還る特徴を持っているため、プラスチックの中で一番環境に優しいとされています。プラスチックアメニティと代替することで、プラスチック使用量の削減にも貢献します。

 バイオマス素材を使用したアメニティにはヘアコーム・歯ブラシ・カミソリなどがあり、見た目は通常のプラスチックアメニティとさほど変わりません。そのため、従来の客室雰囲気を保ちたいけれど、アメニティから環境配慮な取り組みを推進したいというホテル・旅館様にオススメです。

 なお、バイオマス素材の中でもとうもろこしを使用したアメニティは、乳白色に黄みが混ざったおしゃれな色合いで展開されていることも。

 さらに、客室備品も含むと、素材の幅が広がります。代表的な素材として、ここではコーヒー粉・ホタテの殻をご紹介します。

コーヒー粉再利用客室備品

 コーヒーは、抽出後にかすとして出るゴミの大量廃棄が問題視されており、さらに使用済みの粉を廃棄処理する際に発生する、温室効果の高いメタンガスや埋立地が世界的な問題となっています。加えて、新型コロナウイルス感染拡大に伴い家庭におけるコーヒー消費量が急激に増加したことから、今後より深刻な問題へと発展する可能性が高いです。

 コーヒー粉を再利用したカップ・コースター・クリアボトルなどがあり、客室備品として宿泊者様に提供できます。一般消費者にとって親和性も高く、さらに、つぶつぶとしたおしゃれな質感が特徴のため、客室に新しい雰囲気をもたらしたい方にオススメです。

ホタテの殻再利用客室備品

 年間約52万トンが排出され、約半分の21~25万トンの貝殻が廃棄されていると言われているホタテの殻。廃棄量は、東京ドームの1/4にも及びます。肥料として再利用される傾向にありますが、実は価値あるものへアップサイクルもできます。

 ホタテの殻を再利用したものには、カップ・コースター・ペンなどがあります。少しざらざらとした質感がおしゃれで、オフホワイトのようなおしゃれな白色が客室に馴染みやすいです。

その他素材客室備品

 他にも、客室備品として欠かせないスリッパでは、コルク屑再利用・ペットボトル再利用などの素材も活用されています。

4.SUS amenityで多様な天然素材アメニティを調達!

 このように、素材を生かした独特な色合いや環境配慮の一面がある天然素材アメニティですが、SUSPRO(サスプロ)では、コットンの天然素材から、バイオマス素材まで幅広く取り扱っている「SUS amenity(サスアメニティ)」を展開中です。さまざまなエコ素材からお気に入りのアメニティを選定可能で、自社のホテルに合った製品をご購入いただけます。さらに、歯ブラシやカミソリなどの定番アメニティはもちろん、スリッパ一・ヘアターバンなども取り揃えているので、一括仕入れでお部屋の雰囲気を一新できます。

SUS amenityの詳細はこちら

たくさんのメリットがある天然素材アメニティ。この機会にぜひ導入をご検討ください。

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