ホテルブランディングとは?必要な理由・戦略の立て方と成功へ導く7つのポイント

2024/10/30

ホテルブランディングとは?必要な理由・戦略の立て方と成功へ導く7つのポイント

現代のホテル業界では、宿泊施設の増加にともない、顧客獲得・価格競争が激化しています。競合との差別化を図り、選ばれる宿になるためには自社独自の「ブランディング」が重要です。

しかし、ブランディングを狙いどおりに定着させるためには、綿密なマーケティング施策が求められます。また、自社ホテルのイメージの方向性に悩む方も多いのではないでしょうか。

今回は、ホテル業にブランディングが求められる理由と立案のコツ、成功に欠かせないポイントをご紹介します。自社ホテルの生き残りをかけ、新たなイメージ戦略を模索しているご担当者の方はぜひ参考にしてください。

1.ホテルブランディングの本質

ホテルブランディングの本質

そもそもブランディングとは、自社独自のイメージを確立し、競合他社との差別化を図るブランド戦略の一環です。分かりやすくいうと「〇〇といえばこのホテル」というイメージを確立することを指します。ホテル業では、ターゲット層やコンセプトによって、ブランディングの方向性はさまざまです。

  • 宿泊プラン
  • ホスピタリティ
  • 地域性・土地柄
  • アメニティ・オリジナルグッズ

例えば、景観などそこでしか味わえない体験を提供するホテルでは、ホスピタリティや地域性・土地柄を活かしたブランディングが最適でしょう。一方、リゾートや非日常など特定のコンセプトを設定するなら、その雰囲気に応じた内装・アメニティのデザインイメージを統一することでブランディングが強化されます。

つまりブランディングは、自社ならではの魅力を効果的に伝える手段です。同時に、ホテルごとのターゲット層を効率的に惹きつけるために欠かせないマーケティング施策でもあります。

2.ホテル業界におけるブランディングの必要性

ホテル業界におけるブランディングの必要性

ホテルにとってブランディングの重要性が高い理由は、近年の宿泊施設の増加にともなう顧客獲得競争の激化にあります。

現在、従来のホテル・旅館以外にも、ホステルやゲストハウス、ユースホテルなどさまざま形態の宿泊施設が増えました。また、ホテルと一口にいっても、ビジネスホテルやシティホテル、リゾートホテルなど、その種類は多種多様です。さらに近年のアウトドアブームに乗り、ホテルではなくキャンプ・グランピング専用施設を選ぶユーザーも少なくありません。

インターネットの普及により、ホテル探しにおけるユーザーの選択肢は膨大になりました。それらの要因に加え、最近はコロナ禍の影響で売上が低迷し、人件費の削減や休業を余儀なくされるホテルも増加しています。

数ある宿泊施設の中からお客さまに選ばれるホテルになるためには、効果的なブランディング戦略が不可欠です。独自のブランディングを基に自社の魅力をアピールできれば、競合他社との顧客獲得競争に勝利し、利用客の増加につながります。

さらにブランディングが定着すれば、宿泊そのものを目的とする旅行客が増え、積極的に宣伝しなくても選ばれるホテルになるはずです。

3.ホテルブランディングを構成する3つの要素

ホテルブランディングを構成する3つの要素

ホテルブランディングは、主に以下3つの要素で構成されています。

  • ストアブランディング
  • エンターテイメントブランディング
  • プロダクトブランディング

ストアブランディング

「ストアブランディング」とは、ホテルのブランドアイデンティティに基づくビジュアルイメージを形成することです。具体的には、自社ホテルが伝えたいコンセプトを基に、お客さまに喜んでもらえる空間(外装・内装や客室のインテリアなど)になるよう整備します。

また、お客さまとのつながりを創出するコミュニティ作りも、ストアブランディングの一種です。自社独自のイメージを活かすことで、流行に人気が左右されないホテルになれます。

エンターテイメントブランディング

「エンターテインメントブランディング」とは、UVPを提供する自社独自の取り組みを指します。なお「UVP (Unique Value Proposition)」とは、お客さまを楽しませるユニークな体験のことです。

従来、ホテルユーザーの選定基準は、立地や価格に重きが置かれていました。しかし、モノ・サービスがあふれ、多彩な情報が手に入る現代では、価値観が「質」や「体験」重視にシフトしつつあります。

要するに、今の時代に大切なのは、ここでしか味わえないホスピタリティや体験の提供です。代表的な実例としては、ダンスや歌劇、サーカスの上演のほか、スポーツ・カルチャープログラムの実施などが挙げられます。自社オリジナルのイベントやアクティビティで、他社ホテルと差をつけましょう。

プロダクトブランディング

「プロダクトブランディグ」とは、自社ホテルで取り扱うグッズによる価値の創出です。自社製品に付加価値をつければ、競合他社と差別化できるだけではなく、ファンやリピーターの創出にもつながります。

特にアメニティや備品は、ホテル滞在中の快適性を左右する大きな要因です。弊社の調査では、年に6回以上旅行するリピーター層の心を掴むには、宿泊時に実際に利用するアメニティの質が重要だということが分かりました。

また、ホテルのイメージに応じたアメニティ・オリジナルグッズの提供は、持ち帰ってもらうことでよい記念や思い出になります。女性客の心を掴みたいときや、リピーター獲得を目指す場合は、魅力的なオリジナルプロダクトを制作してみてください。

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4.ホテルブランディング戦略のロジック

ホテルブランディング戦略のロジック

ホテルのブランディング戦略は、次の3ステップで考えていきましょう。

  1. ターゲットの明確化
  2. コンセプトの決定
  3. 自社イメージを広める施策の立案

1.ターゲットの明確化

はじめに、自社ホテルのターゲット層を明らかにします。ターゲットが不明確なブランディングは、どの層にも響きません。

年齢・性別やメンバー構成などから、その出費の傾向や宿泊の経緯を想定しましょう。ターゲティングは自社ホテル全体の運営方針にも関わってくる重要なプロセスのため、しっかりと深掘りして慎重に決めることが必要です。

2.コンセプトの決定

次に、自社ホテル全体のコンセプトを決めます。ホテルのコンセプトが定まれば、プラン内容や接客方法にもそれが反映され、より良いサービスの提供が実現するはずです。

前のステップのターゲティングを基に、自社がアピールしたいポイントも踏まえて、ユーザーの心に響くコンセプトを考えてみてください。

3.自社イメージを広める施策の立案

決定したコンセプトを活かし、自社ブランドを確立するための具体的な施策を立案します。ロゴ・イラストやカラーのほか、キャッチコピーやキャラクターなど、さまざまな視点から自社のブランディングに合うイメージを考えてみてください。

その際「3.ホテルブランディングを構成する3つの要素」を軸に据えれば、自社に最適な方向性がみえてきやすくなります。また、ブランディングが定着するまでにはある程度の時間がかかるため、長期的に展開できる施策を考案しましょう。

5.ホテルブランディングの7つの成功要因

ホテルブランディングの7つの成功要因

ホテルブランディングは、ただやみくもに考えるだけではうまくいきません。自社ホテルのブランドを確立するためには、次の7ポイントを押さえることが大切です。

  • 自社の強みを把握する
  • 従業員教育を徹底する
  • 明確な根拠に基づくサービス料金を設定する
  • ストーリーテリングを取り入れる
  • SNSを活用する
  • 定期的に効果を検証・分析する
  • アメニティ・備品やグッズにエシカルを意識する

自社の強みを把握する

自社の強みは、ホテルブランディングの核心ともいえる重要なファクターです。ターゲットやコンセプトの決定にも大きく関与するため、きちんと把握しておきましょう。

ただ、料理や客室の内装などのありふれたアピールポイントでは、競合他社との差別化が容易ではありません。強みの把握に有効な手段は、顧客の意見をチェックすること。利用客からのアンケート結果やWebでの口コミなどを掘り下げれば、客観的な自社のアピールポイントがみえてくるはずです。

従業員教育を徹底する

最終的にブランディングを定着させる役割を担うのは、お客さまと最も身近に接する存在であるホテルの従業員です。したがって、現場に周知できていなければ、どれほど素晴らしいブランディング企画でもお客さまに伝わりません。

自社ホテルのブランディング戦略が社内全体で共有できていれば、従業員は自信をもってサービス提供や接客に取り組めます。現場と認識のズレがあると失敗の原因になりやすいため、施策の内容や方向性、それに込めた想いなど、細部のイメージまできちんと共有してください。

明確な根拠に基づくサービス料金を設定する

自社ブランディングが最大限に活かせることを根拠に料金を設定すれば、他社より高くても選ばれるホテルになれます。価格競争が激化する現代のホテル業界において、ただ宿泊料金を安くするだけでは自社の価値を下げるばかりか、いずれ限界が訪れるでしょう。

価格以外で競合他社から抜きん出る手段こそブランディングです。明確なブランディングに基づき、ほかには真似できない自社だけの特別な体験を提供することで、顧客満足度が高まりロイヤリティが形成されます。

ストーリーテリングを取り入れる

ブランディングに「ストーリーテリング」を取り入れることで、顧客の共感を集め、記憶に強く残る効果が期待できます。「ストーリーテリング」とは、顧客への説明に体験談や具体的な事例を盛り込んでストーリー性を持たせることです。ただ事実やデータを羅列するより、ストーリー性がある説明のほうがイメージが伝わりやすくなります。

ストーリーテリングは、文化や伝統などをコンセプトに据える際に特に有効です。うまく組み合わせることで、お客さまの心に強く訴えかける手段になるでしょう。

SNSを活用する

1人1台のモバイル端末を持つ今の時代において、SNSを有効活用できるかどうかがホテルブランディングの成功の鍵となります。

SNS運用のメリットは、視覚化した情報をリアルタイムで発信できることです。X(旧Twitter)やInstagramなどでキャッチーな画像やお得な情報を投稿することで、多くのユーザーに自社ホテルを知ってもらうきっかけになります。うまくいけば投稿やアカウントにファンがつき、情報をより広範囲に拡散してもらえるかもしれません。

ただし、SNSでのファン創出が本来の目的ではないため、投稿をきっかけに宿泊を検討してもらいやすくなるよう工夫することが大切です。またSNSのイメージと実際の施設・サービスのギャップが大きいと、期待していた分その落胆も大きくなるため、過度な誇大表現は避けてください。

定期的に効果を検証・分析する

ブランディングの成功には、効果の検証が欠かせません。定期的に現在のブランディングの効果を分析し、反響が薄い場合は見直しましょう。

なお、見直しといっても、ブランディングの方向性自体を変える必要はありません。同じ内容でも、伝え方や見せ方一つでブランディングの効果が桁違いに変わるため、より効果的にアプローチできるよう改善してください。

アメニティ・備品やグッズにエシカルを意識する

SDGs活動が世界中の産業のトレンドとなっている現代では、環境への配慮が消費者の購買選択を大きく左右します。実際に先述した弊社の調査でも、全体の7割以上がエコフレンドリーなホテルに対して好印象を抱くことが分かりました。

特に、年に6回〜10回以上旅行するリピーター層では、全体の約74.7%がエシカル消費を意識しています。つまり、環境への配慮をホテルブランディングにも取り入れれば、多くの共感を呼び、選ばれやすくなるということです。

エシカルを最も取り入れやすい分野は、コンテンツブランディングだといえます。環境にやさしい素材を使ったアメニティ・備品やオリジナルグッズで、エシカルなイメージを積極的にアピールしましょう。

関連記事>>ホテル業界が取り組むSDGs。期待されるゴールとその理由、社会課題の現状と数字を徹底解説

6.サステナブルなアメニティ・グッズ制作でホテルブランディングを強化するなら「SUSPRO」へ!

ブランディングが成功すれば、ホテルの集客促進および顧客満足度の向上につながり、利益を最大限に高められます。インターネットの普及で情報の比較・検討がしやすくなった現代では、選ばれ続けるためのたゆまぬ努力が不可欠です。「これだけはどこにも負けない」という強みを見つけ、それをブランディングに活かしましょう。

簡単に取り入れられて伝わりやすい方法でブランディングを図りたいなら「SUS amenity」の導入でサステナブルな取り組みを始めませんか?従来のプラスチックのアメニティをエコ素材に変えるだけで、エシカルな姿勢がアピールできるうえ、高級感や特別感の提供にもつながります。

SUS amenityブランド抜粋
SUS amenityブランド抜粋

ホテルに必要なアメニティ一式を豊富なエコ素材でご用意しているため、統一したイメージの演出にも効果的です。製品サンプルを無料でお届けしますので、まずはお問い合わせフォームからぜひお気軽にご連絡ください。

[出典]/PR TIMES/“環境に配慮している”宿、71%が好印象と回答 ホテル旅館に対する旅行者意識調査/https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000137.000032175.html

SUSPRO編集部

【サステナブルグッズ制作チーム】 T.M

エコ素材アメニティや客室備品の企画・販売担当。実際にいただくホテルマーケティング担当者様の声を基に、サステナブルなアメニティや客室備品を開発。最新のエコ素材を取り入れたものづくりやホテルブランディングに日々取り組んでいます。

【サステナブルグッズ制作チーム】 T.M

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