リヨセルとは?素材の特徴や環境にやさしい秘密を解説

2024/11/05

リヨセルとは?素材の特徴や環境にやさしい秘密を解説

製品にエコを取り入れたいけれど、ナチュラルなだけではなく質感も重視したい。そんなときには「リヨセル」がおすすめです。今回は、サステナブル素材として注目度が高まるリヨセルの魅力に迫ります。製品化にあたってのメリット・デメリットもお伝えしているので、ぜひ参考にしてください。

1.リヨセルとは

リヨセルとは

まずリヨセルの特徴と、なぜエコ素材といわれているのかを説明します。

リヨセルの特徴

「リヨセル」とは、ユーカリなどの天然の原料からできた再生繊維です。天然由来ではあるものの、厳密にいうと天然素材ではなく化学繊維に分類されます。そのため品質表示は指定外繊維に分類されますが、環境に負荷を与えないエコ素材です。

リヨセルはドレープ感が強く、上品なたるみがある柔らかな風合いと美しい光沢感を特徴としています。繊維の断面が円形のため、繊細な見た目に反して強度と耐久性が高い生地であり、濡れても伸びません。

また、リヨセルはひんやりとした触り心地から夏用だと思われがち。しかし実は、通年使用できる万能素材です。

リヨセルがエコな理由

リヨセルがエコな理由

リヨセルは、環境にやさしいエコ素材の一つとして注目されています。環境への負荷が少ない理由は、原料を溶剤で溶かしてから紡ぎ上げる「溶剤紡糸法」で作られているためです。

溶剤紡糸法では、使用した溶剤を廃棄せず、ほとんどが回収・再利用されます。そのうえ、リヨセルは自然に土へ還る「生分解性」を持つことから、生産から廃棄までのすべての工程で環境へ必要以上の負荷を与えません。

また、原料となるユーカリは環境に配慮した方法で育成されるほか、人口森林の間伐材が用いられることが多い点もエコなポイントです。

リヨセルと綿の違い

リヨセルと綿の違い

リヨセルに似た生地として綿がありますが、ともに植物由来セルロースから作られており、原料の性質に違いはありません。両者の違いとしては、次の3点が挙げられます。

  • 繊維の長さ
  • 紡糸方法
  • 強度

綿の繊維の長さは約3cm〜4cmです。綿の実から取り出した綿毛をほぐし、機械で紡いで糸が作られます。

一方リヨセルは、綿より繊維が長い素材です。いったん溶剤で溶かしてろ過したあと、ゆっくりと時間をかけて紡糸するため、綿以上の強度を持つ繊維になります。

また近年は、リヨセルと同じく、ただの綿よりサステナブルな「オーガニックコットン」「再生コットン」も注目されています。それぞれ以下のコラムで解説しているので、ぜひ併せてご覧ください。

関連記事>>オーガニックコットンとは?無農薬栽培と化学薬品を使わない製造工程で、作る人もつかう人も安心できる天然エコ素材
関連記事>>「再生コットン」とは?端切れを再利用して自然な風合いをそのまま楽しむ、サステナブルなものづくり

リヨセルとテンセルの違い

リヨセル素材について語る上で欠かせないのが、テンセル。その違いが気になる方もいるのではないでしょうか。実は、リヨセルとテンセルは、名称が違うだけで同じ素材です。

もともと、オーストラリアのレンチング社がリヨセル、イギリスのコートルズ社がテンセルとして、同素材を商品化しました。その後、両社は合併して「テンセル」という一つの企業になり、素材の商標を「リヨセル」としたのが異なる名称が存在する経緯です。

2.リヨセルのメリット

リヨセルのメリット

リヨセルが持つ次の5つのメリットから、企業のものづくりやサービスに積極的に取り入れることが推奨されています。

肌触りがよい

リヨセルは、まるで肌に吸い付くようなしなやかな質感が魅力です。なめらかで刺激が少なく、静電気も起きにくいため、肌荒れしやすい方やアトピーのある方などでも快適に使えます。

吸湿性・発散性に優れる

リヨセルは、天然素材の綿や麻より、高い吸湿性を持ちます。また吸収した水分をすばやく発散するため、小物雑貨はもちろん、寝具や衣類にもよく用いられています。

縮みにくい

リヨセルは、ハリ・コシの強い素材であり、弾力があって洗濯しても縮みにくい性質があります。もし洗濯で多少縮んでも、スチームアイロンをかければ元の形状を長期間維持できるため安心です。

ファッション性が高い

リヨセルの独特のドレープ感と光沢感は、ラグジュアリーさを演出したいグッズに最適です。上生地そのものが上質な雰囲気を醸し出すため、細工を施さなくても高級感が出ます。

エシカルな企業としてブランディングできる

エコな天然由来の再生素材であるリヨセルを自社商品に取り入れることで、環境に配慮したエシカルな企業としてブランディングできます。SDGs活動が推進される現代では、エシカル消費やサステナブルファッションを購買基準にしている消費者も多く、今後のブランド戦略に活かせるでしょう。

エシカルの意味や企業にとっての重要性などを知りたい方は、こちらのコラムをご参照ください。

3.リヨセルのデメリット

リヨセルのデメリット

たくさんのメリットがあるリヨセルですが、その反面デメリットといえる部分も一部存在しています。ものづくりやサービスの一環として取り入れるときは、次の点に留意してください。

摩擦に弱い

リヨセルは、摩擦への耐久性が低い素材です。強く擦ると、毛羽立ったり(フィブリル化)、白っぽく色抜けたり(白化)しかねません。

特に濡れた状態だと、より摩擦に弱くなるため、洗濯の際はやさしく短時間で洗うよう注記しておくことをおすすめします。

しわになりやすい

リヨセルはしわになりやすいため、誤った方法で手入れするとビジュアルが悪くなりがちです。洗濯はできるだけ手洗いしたうえ、乾燥機の使用は避け、しっかり伸ばしてから干すなどの工夫が求められます。

また、お手入れの仕上げにスチームアイロンをかければ、しわのないきれいな質感が保てることもアナウンスしておくとよいでしょう。

【SUSPRO調査隊プレゼンツ】リヨセルで作れるものはどんなもの?

肌触りがよく、吸湿性などにもすぐれるリヨセル。独特な光沢感があり、肌触りが良い素材のリヨセルは、特にアパレル雑貨を作る際におすすめです。

たとえば、リヨセルはスカーフやハンカチなどの小物類から、パジャマをはじめとする衣料品まで、多岐に活用されています。また、布グッズの生地に用いるだけで環境配慮の姿勢をアピールできるほか、綿・麻と比べても遜色がなく使える点が大きな魅力です。

リヨセルで作れるものはどんなもの?

さらに、綿以上の強度を持つ性質を利用して、軍手などの作業用グッズや防災用グッズとして使われるケースも少なくありません。

「地球にも人にも優しい素材」として、ナチュラル思考の企業・ブランドにぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。

4.リヨセルを使ったオリジナルグッズで社会貢献を!

リヨセルは、その上質で美しい見た目だけではなく、環境配慮の姿勢が効果的にアピールできるエコ素材です。自社のものづくりやサービスに積極的に使用することで、手軽に社会貢献できます。多少デメリットはあっても、取り扱いに気をつければ問題ない程度なので、高級感を演出したいさまざまなグッズの生地に取り入れてみてください。

リヨセルをはじめとするエコ素材のものづくりなら「SUSPRO」へ!こだわりの完全特注グッズを「フルオーダー制作」で承ります。ワンストップ体制ですばやく柔軟に対応しますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。

SUSPRO編集部

【フルオーダーグッズ制作チーム】 Y.Y

多様な企業様の販売品・ノベルティを制作しているグッズの企画・営業担当。企画から納品まで一気通貫で担う中で、特にエコ素材に関する知識や取り扱い方法・トレンドなどに精通しています。

【フルオーダーグッズ制作チーム】 Y.Y

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