サステナブル素材とは?種類・サステナブル生地の選び方、商品化のポイントを解説
2024/11/25 (更新日:2025/10/31)

現代の企業活動において「サステナブル」は、社会共通の最重要キーワードです。商品の製造・販売の際、地球環境と社会に配慮したサステナブル素材の活用が不可欠となっています。
しかし、サステナブル素材には多種多様なものがあり、特にサステナブル生地をはじめとする素材の特徴や、どのように事業に取り入れるべきか、悩んでいる企業様も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、代表的なサステナブル素材を網羅的に紹介したうえ、そのメリット・デメリット、具体的な商品例をお伝えします。素材を最大限に活かすための商品化のポイントも解説していますので、ぜひ最後までお読みください。
1.サステナブル素材とは?その特徴と注目される背景

はじめに、サステナブル素材に関する基礎知識を確認していきましょう。
サステナブル素材の特徴
サステナブル素材とは、地球環境や社会に配慮した持続可能な材料や生地のことです。具体的には、以下の要素が含まれます。
①地球環境に配慮
自然由来の繊維やリサイクル素材を使用し、生産時の二酸化炭素排出や有害物質を削減するなど、地球環境への配慮がされている。
②労働環境の適正化
製品の生産・加工に携わる人が、適正な労働環境の下で働いている。
「サステナブル」の意味についてはこちらの記事で詳しく説明していますので、ぜひ併せてご覧ください。
関連記事>>【ビジネス向け解説】サステナブルとは?意味や企業の取り組み事例を紹介
サステナブル素材が注目され始めた背景
サステナブル素材が推奨されるようになった背景には、環境破壊の深刻化を踏まえた「SDGs(持続可能な開発目標)」の推進があります。
サステナブル(Sustainable)は「持続可能な」という意味の用語です。世界を挙げて達成を目指しているSDGsへの貢献は、これからの企業・事業者へ課せられたCSR(社会的責任)といっても過言ではありません。地球上のすべての存在が持続可能であるためには、従来の大量生産・大量消費型のものづくりから、サステナブルなシステムへの転換が不可欠です。
SDGsの詳細はこちらの記事をご参照ください。
関連記事>>【ビジネス向け解説】SDGsとは?意味や企業の取り組み方を徹底解説!17項目のゴールと日本の現状まとめ
2.サステナブル素材一覧 – 代表的な種類とサステナブル生地の解説

ここからは、代表的なサステナブル素材の種類を紹介します。特にアパレルや雑貨で活用が進むサステナブル生地については、その詳細も確認していきましょう。
天然素材
「天然素材」とは、自然由来の原料そのものを使った生地や資材です。もともと自然に存在する素材は、生産から廃棄までの過程で環境に必要以上の負荷を与えません。
ただし、天然素材はすべてサステナブルというわけではありません。原料の由来はもちろん、環境や社会に配慮した方法で生産・加工されたものを選ぶことが、サステナブル生地の選定において大切です。(例:農薬不使用で栽培されたオーガニックコットンなど)
リサイクル素材
「リサイクル素材」とは、廃棄物を再利用して作られた素材です。これまで廃棄するしかなかった端材や残りかす、使用済みの化学素材から、繊維や皮革類似素材、環境にやさしいプラスチックなどが作れます。
リサイクル素材は資源の有効活用になるだけでなく、機能性を向上させたアップサイクル製品であることも魅力の一つです。例えば、本革の端材を再利用した「リサイクルレザー」は、リサイクル素材の代表格として注目を集めています。
廃棄食材のアップサイクル素材
他にも近年特に注目されているのが、従来は廃棄されていた家庭での食べ残しや不可食部、一般流通できない規格外品などの食材を再利用した素材です。こうした廃棄物にあらたな付加価値を与えて再生したアップサイクル素材は、環境にやさしいうえ、食品ロスやごみ排出量削減などの問題解決にもつながります。
廃棄食材のアップサイクル素材の用途は、生地やプラスチック、建材などさまざまです。野菜や果物をはじめとし、食材の皮や殻、コーヒー粉など、これまで捨てる以外にやり場がないと考えられていた多くの廃棄物が幅広い業界で有効活用され始めています。

バイオ素材
「バイオ素材」とは、植物由来の原料から作られた次世代素材の総称です。主に石油由来の合成樹脂製品の代替品としての役割が期待されており、プラスチックやレジ袋、梱包材など、すでにさまざまな用途に使われています。
100%植物由来の素材のほか、原料の一部を代替して化学物質の使用を最低限に抑えたものもバイオ素材に分類されます。
アニマルフリー素材
「アニマルフリー素材」とは、動物性の原料を使わない素材です。非動物性かつ地球にやさしい製造工程から、環境保全や動物愛護、宗教など思想に制限されないファッションの選択肢として注目されています。
最もポピュラーな例は、廃棄物や植物性原料のヴィーガンレザーです。本革のような見た目と質感から、代替品として違和感なく取り入れられます。
フェアトレード素材
「フェアトレード素材」とは、適正価格で売買される素材の総称です。コットンやファッショグッズのほか、コーヒー・チョコレートなどの食品がメジャーなフェアトレード製品として取引されています。
なお、価格の安い商品の背景にあるのは、低賃金や劣悪な労働環境など不利な条件下に置かれている発展途上国の存在です。SDGsが掲げる誰も取り残さない持続可能な社会の実現のためには、公正な取引で発展途上国の自立を促し、社会的・経済的な格差をなくすことが求められます。
補足:エコ素材との違いについて
なお、似た表現に「エコ素材」がありますが、サステナブル素材との違いは指し示す範囲です。エコ素材は環境配慮型の原料・製法であることが重視されます。一方サステナブル素材は、環境だけではなく経済や健康などへ幅広く貢献する素材です。
こちらの記事で具体的な種類の紹介を中心に解説していますので、ぜひ参考にしてください。
3.サステナブル素材を導入するメリット・デメリット

サステナブル素材をものづくりに取り入れることで、企業は経済や環境にどのような効果を及ぼすのでしょうか。以下では、サステナブル素材のメリットとデメリットについて考えていきましょう。
サステナブル素材のメリット
企業がサステナブル素材を取り入れることで、地球環境の保護と労働者の待遇改善、エシカルブランディングにつながります。
・地球環境の保護
環境に必要以上の不可を与えず、資源を余すことなく有効活用するものづくりへのシフトは、地球の未来を守ることに直結します。
・労働環境の改善促進
丁寧に生産された環境配慮型の素材をものづくりへ積極的に取り入れることで、大量生産・大量消費の弊害ともいえる劣悪・低賃金な労働環境の改善を促します。
・エシカルブランディング
直接ものづくりを行う企業はもちろん、サステナブル素材を使ったグッズを事業活動の一部に導入することで、SDGsに貢献できます。サステナブル素材を積極的に導入すれば、エシカルな企業としてのブランディングによる新たな価値の創出や集客効果も見込めるでしょう。
ブランディングが成功の鍵を握る業界の一つ、ホテル・旅館業の経営戦略とサステナブルの関連性を知りたい方はこちらの記事をご覧ください。
関連記事>>ホテルブランディングとは?必要な理由・戦略の立て方と成功へ導く7つのポイント
サステナブル素材のデメリット
一方、サステナブル素材の生産・加工は手間がかかるため、従来の素材よりコスト高になる可能性があります。
しかし、サステナブル素材はまだ開発途上です。今後よりよい素材が生み出され、価格が抑えられる可能性は十分にあります。また、より多くの企業がサステナブル素材を取り入れることは、開発の後押しとなり、結果として価格低下につながるというよいサイクルの構築につながるはずです。企業のイメージアップ効果も期待できることから、長期的な投資の意味も込めて取り入れる企業が増加しています。
4.サステナブル素材の商品例 – 特に注目されるサステナブル生地の活用

現在、サステナブル素材は多種多様な商品の原料・生地として活躍しています。ここでは、具体的な商品の例をみていきましょう。
服やファッションアイテムの生地
サステナブル生地は、今やアパレル業界における最注目のマーケティングトレンドの一つです。「CHANEL(シャネル)」「NIKE(ナイキ)」「PRADA(プラダ)」「UNIQLO(ユニクロ)」「H&M」など世界に名だたるアパレルブランドがサステナブル生地を採用。サステナブルな服やバッグ、靴などのファッションアイテムを生み出し、エシカルな姿勢をアピールしています。
インテリア・生活雑貨の材料
サステナブル素材は、インテリアや生活雑貨の材料にも使われています。以下のように、素材そのものの特徴を活かした利用方法のほか、プラスチック製品の代用品など、使い道はさまざまです。
- 布団や枕のカバー
- テーブルクロス
- タオル
- 洗濯ネット
- ティーバッグ
- ゴム手袋
- プランター
- ティーバッグ
例えば「資生堂」や「ニトリ(NITORI)」などの国内有名企業も、製品や容器の原料にサステナブル素材を採用していることで話題になりました。
アメニティグッズの原料
ホテル・旅館業界では「プラスチック資源循環法」の施行を受け、アメニティの脱プラスチックが急務です。竹や木、バイオマスプラスチックなどのサステナブル素材を用いたアメニティに置き換えれば、法制度へスムーズに対応できます。
ホテルアメニティの脱プラについては、ぜひこちらの記事をチェックしてみてください。
5.サステナブル素材を活用するコツ

サステナブル素材、特に種類が豊富で適した用途が異なるサステナブル生地の効果的な導入には、、グッズ制作会社とのパートナーシップが欠かせません。自社で制作予定のグッズに適した素材を選ぶために知識とノウハウが必要となるためです。
制作会社の選定時は、取り扱う素材の種類の多さはもちろん、サステナビリティへの配慮もチェックしましょう。また、アイテムの提案から素材の選定、デザインまで一貫してサポートしてくれる制作会社を選べば、最小限の手間で最高のグッズが作れるはずです。
【番外編】SUSPRO調査隊によるサステナブル素材グッズの制作会社の選定軸2選!
サステナブルな素材から多くの製品を制作し、ホテル・旅館向けアメニティにおいては200社以上のお取引を持つ「SUSPRO」。そんなSUSPROブランドのお客様の声を基に、サステナブルグッズ制作会社の選び方を2つの視点からご紹介します。
1.代理店ではなく“一気通貫”のものづくり体制を敷いていること
サステナブル素材は、まだ流通数の少ないものも多い新しい素材です。そのため、ワンストップのものづくり体制の制作会社なら、生地の仕入れから生産まですべての過程を直に確認できるため、安心して任せられるとの意見がありました。
現地へ直接、生地を調達しているため、マージンが発生せず、比較的安い価格でサステナブル素材の導入ができました。
(ホテルのマーケティング担当者様)
サステナブル素材の導入は品質や形状などのできに不安があったため、直営店の企業を選択しました。結果、形状や品質だけでなく、スピーディーな対応に満足しました。
(旅館の総務担当者様)
2.サステナブルに関する知見を持っていること
サステナブルなグッズを制作するにあたり、素材に関する知見は重要です。生地の質感やかかる費用・期間などは制作側の知見に左右されるため、知識は豊富に越したことはありません。
また「SDGsウォッシュ」になっていないかという点も考慮すべきです。SDGsウォッシュとは、SDGsの目標達成に取り組んでいるように見えて、実態が伴っていない表面的なエコ活動・ビジネスを揶揄する言葉です。具体的には、リサイクル原料の使用を広報する一方で、サプライチェーン上で人権問題・労働問題が劣悪な場合などが挙げられます。
グッズ制作の全課程がサステナブルであると保証されており、かつ十分な知見が備わっていることが真のサステナビリティです。
「自ホテルに合った高級感があるサステナブル素材を使用したい」という要望に合わせて数種のサステナブル素材を選択し、提案してくださった点がよかったです。
(ホテルの経営者様)
サステナブル素材を生産する過程で、実はエコではないということもあり得ると知りました。サステナブル素材がどのように作られているかの過程までしっかりと説明してもらえるような制作会社を選ぶべきだと思います。
(旅館のマーケティング担当者様)
なおSDGsウォッシュに関する詳細は、こちらの記事をご参照ください。
関連記事>>企業が気を付けるべきSDGsウォッシュとは? 事例と具体的な回避方法を解説
6.サステナブル素材を積極的に取り入れて地球の未来を守ろう
サステナブル素材をブランドや事業活動に適材適所に取り入れることで、世界中の経済や社会、環境が守られます。サステナブル生地などの素材を活用したエシカルな姿勢のアピールは、将来的な自社の利益にも大きなプラスとなるでしょう。
サステナブル素材を使ったグッズ制作のご相談は、企業のSDGsをものづくりで支えるプロ集団「SUSPRO」へ。ブランド・企業向けのサステナブルなグッズ制作やホテル・旅館向けオリジナルエコアメニティ・グッズ制作など、ニーズに応じて一貫したサポートを提供します。疑問・質問やご依頼はこちらから、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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